香港と中国本土を結ぶ高速鉄道(広深港高速鉄道)のサービスが、2026年1月26日より大幅に拡充されます。今回のダイヤ改正により香港西九龍駅から直行できる目的地は新たに16駅追加され、合計110駅に拡大しました 。
1. ネットワークが110駅に拡大:東部・南部主要都市へのアクセス強化
今回の拡充では、中国東部および南部の主要都市を中心に16の駅が高速鉄道ネットワークに加わります。日本企業の進出が多く、経済的な結びつきが強い南京や無錫(江蘇省)、そして科学技術の発展が著しい合肥(安徽省)といった都市へのアクセスも便利になります。
これまで乗り継ぎが必要であったこれらの都市へ、香港から乗り換えなしでアクセスできるようになることで、出張者の移動時間の短縮や、観光客の利便性向上が期待されます。新たに追加される主な駅を含む、主要な目的地は以下の通りです。
| 地域 | 主要な追加目的地 | 備考 |
|---|---|---|
| 江蘇省 | 南京南、無錫東 | 長江デルタ地域の主要都市 |
| 安徽省 | 合肥南 | 科学技術と教育の中心地 |
| 福建省 | 福州南、泉州東、泉州南 | 沿岸部の経済・文化都市 |
| 広東省 | 恵州南、汕頭南、清遠など | 広東省東部・北部の都市 |
2. 上海・香港間のサービス強化:寝台列車が毎日運行へ
香港と中国最大の経済都市である上海を結ぶルートも、今回の改正で大幅に強化されました。これまで週4日(金曜日から月曜日)の運行であった夜行高速寝台列車(夕発朝至)が、1月26日からは毎日運行となります 。
夜20時頃に香港を出発し、翌朝7時前には上海に到着するこの寝台列車は、移動中に睡眠をとることで時間を有効活用できるだけでなく、宿泊費の節約にもつながるため、特にビジネス利用や長距離移動において非常に魅力的です。
また、昼行便も増設され、上海・香港間は合計で1日3往復体制となります 。これにより、利用者は旅程に合わせて昼夜の列車を選択できるようになり、選択肢が一段と広がりました。
| 列車種別 | 運行頻度 | 主な運行時間帯 |
|---|---|---|
| 夜行高速寝台列車 | 毎日運行に増強 | 香港 20:00頃発 → 上海 翌朝 06:58頃着 |
| 昼行高速列車 | 1日3往復に増強 | 上海 08:47頃発 → 香港 17:52頃着(新設便含む) |
3. 旅行客にとっての利便性
今回の高速鉄道ネットワークの拡充は、香港を拠点に中国本土を周遊する外国人観光客や出張者にとっても大きなメリットをもたらします。
最も特筆すべきは、香港西九龍駅で採用されている「一地両検(いちちりょうけん)」制度です。これは、香港の出国審査と中国本土の入国審査を同じ駅舎内でまとめて行うことができる仕組みです。これにより、目的地に到着してから改めて入国審査を受ける必要がなく、非常にスムーズに移動を開始できます。
また、世界遺産に登録された泉州や、歴史的な観光地が多い南京など、香港旅行と組み合わせて訪れることができる魅力的な都市が、より身近になりました。チケットはすでに1月12日から予約が開始されており、MTRの公式サイトや専用アプリ、駅の窓口で購入が可能です 。
まとめ
今回の高速鉄道ネットワークの拡大は、香港と中国本土の経済・文化的な結びつきを一層強固にする「広東・香港・マカオ大湾区(グレーターベイエリア)」構想を推進する上で、重要な役割を担っています。より便利になった香港高速鉄道を利用して、次回の出張や旅行の計画を立ててみてはいかがでしょうか。
参考文献
[2] 上海市人民政府. “長江デルタの鉄道、新ダイヤを実施——変更の3分の1が上海関連.” 上海市人民政府. 2026年1月19日.


