チベットと聞くと、神秘的で少しミステリアスな場所をイメージする方も多いのではないでしょうか。
一方で個人旅行では行きづらく、ネット上の情報も限られているため「どうやって行くの?」「費用はいくら?」「高山病は大丈夫?」と不安も多い場所ですよね。
そこで今回は、実際にひとりでチベット・ラサを旅してきた私が旅のルート、ツアーの内容、かかった費用、現地で感じたことまで、できるだけリアルにまとめてご紹介します。
「チベットに行ってみたいけれど不安」「手配方法が分からない」という方の参考になれば嬉しいです。
チベットへ行った理由
今回チベットを訪れた一番の理由は、遠い親戚に会うためでした。
私は中国にルーツがあり、親戚の中にチベット族と漢族のハーフの子がいます。数年前に、その子が大学卒業を記念して世界を旅していたときに日本へ遊びに来てくれて、東京で数日一緒に観光しました。
それ以来、チベットという場所がずっと気になっていて「いつか行ってみたい」と思っていました。仕事の都合でなかなかタイミングが合わなかったのですが、今年ようやくスケジュールを確保でき、念願のチベット行きが実現しました。
🐎 2026年は特別な「午年」:12年に一度の巡礼年
さらに2026年はチベット暦で12年に一度の「午年(馬年)」にあたります。チベット仏教では、午年は釈迦牟尼の生涯にちなんだとても神聖な年とされ、世界中から例年以上に多くの巡礼者や旅行者がチベットへ集まるそうです。
私は仏教徒ではありませんが、せっかくチベットを訪れるならこの特別な年に行きたいという気持ちもあり、思い切って旅を決めました。
【準備編】チベット旅行は事前準備が大切
チベット旅行は一般的な中国旅行に比べて、準備が少し複雑です。ここでは最低限知っておきたいポイントをまとめます。
チベット入域許可証の取得
日本国籍を含む外国人がチベットを訪れるには、「チベット入域許可証(入蔵証)」が必須です。
この許可証は個人で申請できず、必ず現地の旅行会社を通じて手配する必要があります。
- ツアーを予約する:ガイドと専用車を含むツアーを旅行会社経由で予約します。
- 必要書類を提出する:パスポートや中国ビザなどのコピーを旅行会社へ送付します。目安として、入域の20〜30日前までには準備しておくと安心です。
- 許可証を受け取る:発行された許可証は、中国国内の滞在ホテルなどへ速達で郵送されます。
列車や飛行機に乗る際、許可証の原本提示が求められるため、余裕を持った手配が大切です。発行には少なくとも約2週間ほどかかるので、早めに旅行会社へ相談するのがおすすめです。
チベット入域許可証を発行できる旅行会社
私が今回利用したツアー会社は Easttogo です。旅行会社の担当者や現地ガイドとのやり取りはすべて英語で行いました。ツアーに申し込み、パスポート情報などを提出すると、チベット入域許可証を手配してくれます。支払いはユーロまたはUSドルでした。
同じツアーに参加していた他のメンバーは、Asia Odyssey Travel を通じて申し込んだ方が多かった印象です。申し込み先が違っても、参加人数に応じて複数の旅行会社のグループが合流する形なのかもしれません。支払いはUSドルです。
>> Asia Odyssey Travel の公式サイトはこちら

このチベット入域許可証が無事に届くかすごく不安だったのですが、成都のホテルにちゃんと届いていました。万が一に備えて、事前にデジタルコピーをメールで送ってもらい、それを印刷して手元に持っていたのですが、これが実際に入国時に質問された際にかなり役立ちました。
チベット旅行の費用
気になる費用について、ざっくりした内訳はこちらです。ツアー料金は外貨で支払っており、航空券も時期や為替レートによって大きく変わるため、あくまで参考としてご覧ください。
- ✈️ 成田 ↔︎ 成都:往復 136,470円
- ✈️ 成都 ↔︎ ラサ:往復 116,135円
- チベット4泊5日ツアー:約 157,528円(1人部屋代含む)
日本から成都までの航空券は、マイルを使ったり上海経由にしたりすると、もう少し安くできると思います。
成都からラサまでは鉄道を使うとかなり節約できますが、21時間以上の長距離移動になるため、体力的なハードルは高めです。
ツアーにはホテル代が含まれていますが、1人部屋を希望する場合は追加料金が約28,000円かかりました。追加料金を払わない場合、他の参加者と相部屋になる可能性があります。また5つ星ホテルへアップグレードする場合も追加料金がかかります。
チベットツアーの費用に含まれるもの
今回参加した4泊5日のツアー料金に含まれていたものはこちらです。
- チベット入域許可証
- 空港送迎(時間帯の制限あり)
- 到着便:08:00〜22:00
- 出発便:08:30〜22:30
- 4つ星ホテル(朝食付き)
- 夕食1回(最終日のグループディナー)
- ツアーガイド(英語)
- 各観光スポットの入場チケット
- 旅行保険
- ミネラルウォーター
- 酸素ボトル
私が参加したのは4泊5日のツアーですが更に長い日程のツアーもあるので、詳しくは公式サイトを参考にしてみてください。
チベットツアーの費用に含まれないもの
- ラサまでの飛行機代・鉄道代
- ホテルのキャンセル・変更料金
- ランチ・夕食・ドリンク代
- お土産など個人的な買い物
- eSIMなどの通信費
朝ごはんはホテルのビュッフェを利用できます。それ以外のランチや夕食は、基本的に自由です。レストランへ行くこともできますし、美団アプリで出前を頼むこともできます。
ラサの物価は、お店にもよりますが中国本土とそれほど変わらない印象でした。ほぼ全てのお店でAlipayやWeChat Payが使えます。
ベストシーズンは春と秋
ラサ観光のベストシーズンは、春(4月〜6月)と秋(9月〜10月)です。この時期は気候が安定していて晴天の日が多く、高山病のリスクも比較的低いとされています。ただし朝晩の気温差が大きいので、調整しやすい服装は必須です。私は6月上旬に訪れましたが、一度も雨は降らず晴天に恵まれました。
夏(7月〜8月)は日中の気温が上がりますが、降水量もやや増える傾向があります。また中国国内の観光客が多いハイシーズンでもあるため、観光スポットは混雑しやすいです。
冬(11月〜3月)は巡礼のシーズンで、多くの巡礼者がラサに集まります。観光のローシーズンなので、ポタラ宮殿を比較的ゆっくり見学できる可能性がありますが、かなり寒く高山病のリスクもやや高まります。
代表的なお祭りとフェスティバル
ラサでは年間を通じて様々なお祭りが開催されます。お祭りの時期に訪れるとよりチベットの文化と信仰を深く感じることができます。
| 祭り・イベント名 | 時期 | 概要 |
|---|---|---|
| チベット正月(ロサール) | 2月~3月頃 | チベット最大の祭り。家族で集まり、伝統的な料理を楽しみ、寺院を参拝します。 |
| サガダワ祭 | 5月~6月頃 | 釈迦の生誕、悟り、入滅を祝う祭り。巡礼や供養が行われます。 |
| ショトン祭(ヨーグルト祭り) | 8月頃 | チベットオペラが上演され、ヨーグルトを食べる習慣があります。 |
高山病の予防と対策
チベット・ラサの標高は約3,700m。富士山の山頂(約3,776m)とほぼ同じ高さです。
平地に比べて体内に取り込める酸素量が少なくなるため、高山病対策は本当に大切です。
高山病の症状は人によってさまざまですが、私は初めての高地旅行で、しかも一人旅だったため、事前に日本の内科クリニックで高山病予防薬(ダイアモックス)を処方してもらいました。

また現地でチベットの親戚の叔母さんから高山病予防の漢方薬もいただき、そちらも服用しました。現地の薬局で買えるもののようですが、漢方なので効き目は穏やかな印象です。

現地ではホテルの部屋では酸素吸引ができ、高山病予防薬も飲んでいましたが、それでも頭痛、息切れ、だるさなどの症状がありました。薬を飲んでいなかったら、もっと辛かったと思います。

私が実際に感じた症状はこちらです。
- 少し動いたり話したりするとすぐ息切れがする
- 頭がボーッとして物忘れが激しくなる
- 手足の末端がピリピリしてやや青くなる
- 頭痛や体の倦怠感
- 食欲が全くない
- 眠いのにぐっすり眠れない、睡眠が浅い
40年ほど生きてきて、こういった症状が初めてだったので、毎日AIに自分の体調や酸素濃度を報告してアドバイスをもらったりしました。一人旅だと気軽に相談できる相手がいないなかで、AIにいろいろ質問ができるのはとても心強かったです。

ちなみにチベットに到着する前に測った普段の状態での体内酸素濃度は96%でした。
私が現地で意識た高山病対策はこちらです。
- 到着日は無理をしない ラサ到着直後は激しい運動を避ける
- 初日と翌日は、入浴や飲酒を控える
- 冷たい水ではなく白湯の方をこまめに水分補給する
- 深くゆっくり呼吸する
- パルスオキシメーターを持参し体内の酸素濃度をこまめにチェック
同じツアーのメンバーでも、高山病の症状がまったくない人もいれば、私のように終始体調がいまひとつの人もいてさまざまでした。体調には個人差があり、実際に行ってみないと分からない部分もありますが、万全に準備しておいて損はないと思います。
持ち物と服装のポイント
チベットは紫外線が強く、乾燥も激しく、朝晩の寒暖差も大きい場所です。持ち物と服装はしっかり準備しておくと安心です。
☀️ 紫外線・乾燥対策
紫外線対策はいつも以上にしっかりしたつもりでしたが、それでも夕方ホテルに戻ると肌が赤くなっていました。
- サングラスと帽子:高地の紫外線はかなり強いです。目を守るサングラスとつばの広い帽子は必須アイテム。
- 日焼け止め:SPF値の高いものを選び、こまめに塗り直すのがおすすめ。
- 保湿アイテム:空気がかなり乾燥しているため、リップクリーム、保湿クリーム、目薬があると安心。
🧥 服装はレイヤリングが基本
ラサは「1日に四季がある」と言われるほど、寒暖差が激しい場所。重ね着で調整できる服装が便利です。
- ベースレイヤー:吸汗速乾性のあるインナー
- ミドルレイヤー:薄手のフリースやダウンジャケット
- アウター:風を通しにくいウィンドブレーカーやレインウェア
- 防寒小物:冬場や夜の外出には、手袋やマフラーもあると安心
💊 薬類
慣れない環境では、体調を崩す可能性もあります。常備薬は忘れずに持っていきましょう。
- 高山病予防薬
- 正露丸などの下痢止め
- 車酔い用の酔い止め
正露丸は、今回に限らず海外旅行では必ず持っていくアイテムです。今回は使わずに済みましたが、過去の海外旅行で何度も助けられているので、持っていないと不安になります。
また私は車酔いしやすい体質なので、酔い止めの「トラベルミン」もかなり役立ちました。ツアー4日目は山道を2時間ほど走る行程があるので、酔い止めがなかったら大変だったと思います。
またパルスオキシメーターも念の為に持参したのですが、日々の体調確認で意外と使えたので持っていて良かったと感じます。楽天で購入した安いものでしたが十分に役割を果たしてくれました。
ラサへの行き方
日本からのアクセス
日本からラサへの直行便はありません。そのため中国本土の主要都市を経由して向かうのが一般的です。
代表的な経由地は北京、上海、成都など。なかでも成都からラサへのフライトは本数が多く、所要時間も約2時間と比較的短めなので最も効率が良いルートです。
中国国内からのアクセス
中国国内からラサへ向かう方法は、主に2つあります。
- 飛行機
- 青蔵鉄道
✈️ 成都から飛行機でラサへ
私が今回利用したのは、成都から四川航空の直行便でラサへ向かうルートです。
一番手軽に移動できる方法ではありますが、国内線の割に航空券の料金は高めでした。また飛行機を降りた瞬間に標高の高い場所へ到着するため、体への負担はやや大きいと感じました。
成都からラサの航空券は、なぜかTrip.comではうまく検索できず、四川航空の公式サイトから直接予約しました。ほかにチベット航空(西藏航空)もあるようで、こちらの方が少しお安いようでしたが公式サイトが分かりづらかったので四川航空にしました。


🚉 青蔵鉄道での移動
同じツアーの参加者の中には、鉄道でラサへ移動した方も多くいました。
主要都市からラサ駅(拉薩駅)までの所要時間と運賃目安はこちらです。
| 出発駅 | 所要時間 | 運賃目安(1等寝台) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 西寧駅 | 約20〜22時間 | 約810元 | 青蔵鉄道の起点。最も人気があり、本数も多いルート。 |
| 成都駅 | 約36〜40時間 | 約1,000元 | パンダの故郷から聖地へ向かうルート。長旅ですが景色の変化が楽しめます。 |
| 北京西駅 | 約40〜42時間 | 約1,190元 | 首都から大陸を横断する壮大なルート。 |
| 上海駅 | 約46〜48時間 | 約1,310元 | 大都会から天空の都へ向かう、かなり長距離のルート。 |
特に人気なのは、西寧駅から乗車するルートです。
鉄道のメリットは費用を抑えられること、車窓からチベット高原や雪山の絶景を楽しめること、そして徐々に高度を上げることで高山病のリスクを少し軽減できることです。
一方で長時間の移動になります。プライベートな空間ではないので、慣れない環境にストレスを感じる方もいると思います。列車内には酸素供給設備がありますが、途中で標高5,000m級の峠を越えるルートでもあるため、まったく体に負担がないわけではありません。
座席は、できれば最もグレードの高い「軟臥(1等寝台・4人用個室)」がおすすめです。
ツアーの日程と流れ
ここからは実際に参加した4泊5日のツアーの流れをご紹介します。
1日目:ラサに到着
1日目はラサの空港(Lhasa Gonggar Airport)に15:30頃到着しました。
飛行機を降りた時点で、少し頭がフラフラする感覚がありました。背中のリュックもいつもより重く感じ、少し歩くだけで息切れするような状態でした。
旅行会社からは事前にドライバーの電話番号とピックアップサインの情報をもらっていたのですが、荷物を受け取って到着ロビーに出てもドライバーが見当たらず、少し焦りました。
電話で確認すると、他の便で到着する参加者を待っているとのこと。しばらく空港で待機するように言われました。体調があまり良くなかったので、できれば早くホテルにチェックインしたかったのですが、仕方なくベンチに座って待ちました。
全員がようやく揃って空港を出発したのは、約1時間後の16:30頃。空港からホテルまでは車で約1時間です。


17:30頃にホテルへ到着しチェックインを済ませました。お部屋は普通に綺麗で十分な広さがあります。部屋にはミネラルウォーター、フルーツ、酸素吸引用の装置がありました。ただし酸素吸引用のチューブは部屋に置かれていなかったため、フロントにお願いして持ってきてもらいました。


この日はアクティビティはなく、ガイドから翌日の集合時間について説明を受けた後は自由時間です。
元気な人は街歩きや博物館へ出かけていましたが、私はチベットの親戚と合流して一緒に夕食をしました。ただ標高にまだ慣れていなかったせいか、食欲はほとんどありませんでした。
ホテルはポタラ宮から車で15分程の位置にあり外出する際も便利です。夕食はホテル周辺のレストランへ行くこともできますし、美団アプリで出前を頼むことも可能です。配車アプリのDidiを使えば車もすぐ手配できるので、外出自体はわりとしやすいです。
2日目:カルチャー体験とセラ寺
2日目の午前中は体力的にハードルが低めのカルチャー体験からスタート。まずはチベットのバター茶を飲みながら、チベットの伝統や文化などについて英語で説明を聞きます。そのあとお香作りを体験します。このお香はどこか高級スパを思い出すような癒し系の香りで、お香好きにはたまりません。自分で作ったお香は持ち帰りが可能です。
さらにチベット衣装を着て記念撮影をしたり、チベット族の木版印刷を体験しました。


ランチはツアー指定のレストランで参加者みんなで食べます。メニューから自分の食べたいものを選んで注文します。インド料理のメニューが多い印象で、チベットではインド料理も一般的に親しまれているようです。
ランチ代はツアー料金に含まれていないため、自分でWeChat Payで支払いました。ちなみに観光地のトイレはあまり綺麗ではないことが多いので、レストランで済ませておくと安心です。


午後はラサ市内から北へ数キロ離れた場所にあるセラ寺へ向かいました。セラ寺はゲルク派三大寺院のひとつで、かつては数千人の僧侶が学んでいた大きな寺院です。ここでは毎日午後に行われる僧侶たちの「問答」を見ることができます。
僧侶たちが身振り手振りを交えながら仏教哲学について議論する姿は、とてもダイナミックで迫力がありました。


この日のアクティビティは16:00頃に終了。その後は自由時間です。
ツアー参加者同士も少しずつ仲良くなり夜景を見に出かける人もいましたが、私は体の倦怠感が続いたのでこの日は部屋で安静に過ごしました。
3日目:世界遺産ポタラ宮と八角街
3日目はいよいよ今回の旅のハイライトとも言えるポタラ宮へ。これまで写真でしか見たことがなかったポタラ宮を実際に目の当たりにすると、やはり圧巻でした。まるで夢を見ているような、幻想的な感覚に包まれました。


歴代ダライ・ラマの居城だったポタラ宮は、標高3,700mのマルポリの丘にそびえ立つ壮大な建築。17世紀に建てられ白宮と紅宮から構成されています。白宮はダライ・ラマの居住空間や政務を行う場所、紅宮は仏殿や歴代ダライ・ラマの霊塔が安置されている神聖な場所で、観光客のみならず信仰の深いチベットの方々も多く訪れていました。
ポタラ宮殿は階段が多く、ルートによっては約300〜1,000段の石段や坂道を登ることになります。ラサ自体の標高が高いので、少し階段を上がるだけでもかなり息切れします。携帯用の酸素ボンベを吸いながら、なんとか登り切れました。しかし内部に入ってもさらに階段が続きますので、かなり体力を消耗します。


内部は写真撮影不可ですが、正直なところ私は階段を登り降りするだけで精一杯。写真を撮る余裕はほとんどありませんでした。服装は、長袖・長ズボンなど肌が隠れるものが必要です。階段の上り下りが多いので、スカートは避けた方が無難です。また、喉が渇きやすいので飲み物も持参しましょう。
午後はラサの中心部にある八角街とジョカン寺を訪れます。
ジョカン寺の周囲に広がる八角街は、ラサで最も活気のあるエリアのひとつ。商業地区でありながら巡礼路でもあり、巡礼者たちが地面に這いつくばってお祈りする姿「五体投地」を見ることができます。
伝統的なチベット建築の建物が並び、露店やお土産屋さんも多く、チベットらしい雰囲気を感じられます。


ジョカン寺は、チベット仏教徒にとって最も神聖な寺院のひとつ。7世紀にソンツェン・ガンポ王によって建てられ、チベット仏教の巡礼の中心地となっています。
寺院内にはインドから運ばれたとされる釈迦牟尼像が安置されています。多くの巡礼者が祈りを捧げる姿がとても印象的でした。


この日もツアーは16:00頃に終了し、その後は自由時間。
ポタラ宮殿の階段でかなり体力を消耗したはずなのに、なぜか夕方は意外と元気だったので、同じツアーの仲間と八角街へ戻って買い物をしました。ブレスレットや小さなマニ車などを購入。支払いはすべてWeChat Payでできました。
夜のラサは、昼間とはまた違う幻想的な雰囲気があります。ライトアップされたポタラ宮は必見です。


ラサは日没が遅く21時頃まで明るいので、1日がとても長く感じられました。日中より夕方の方が少し涼しく、街歩きもしやすかったです。
4日目:ヤムドク湖(羊卓雍措)
4日目はラサから少し遠征してヤムドク湖(羊卓雍措)へ向かいます。ヤムドク湖の標高はなんと4,280m。ラサ市内から車で約2時間半の距離にあり、途中で標高4,280mの雅江河谷展望台に立ち寄ります。
この時点でも、私はまだラサの標高に完全には慣れていませんでした。さらに高い場所へ行くのは正直かなり不安でしたし、山道で車酔いしやすい体質でもあるので、酔い止めをしっかり飲んで挑みました。
同じツアーの参加者の中には、体調不良でこの日のツアーを断念した人もいました。無理しないことが本当に大切です。
ラサ市内から車で約1時間半ほどで、雅江河谷展望台に到着します。
ここはチベットの母なる川・ヤルンツァンポ川(雅魯蔵布江)の壮大な河谷を一望できる展望台です。蛇行する川の流れ、荒涼とした山々、青い空が広がる景色は、チベットならではのスケール感でした。


展望台では、子山羊やヤクと記念写真を撮ることもできます。この子山羊がとにかく可愛くて、思わず一緒に写真を撮ってしまいました。子山羊との写真撮影は10〜15元くらいが相場のようです。綺麗にお手入れされている子と、そうでない子がいるので、オーナーによって差があるようでした。交渉次第で値段も少し変わるので、チャレンジ精神がある方は交渉してみてもいいかもしれません。
子山羊に癒された後は、いよいよヤムドク湖へ向かいます。ここからは約30分ほどですが、本格的な山道でかなりクネクネした道を進みます。
ヤムドク湖では、まず山口の展望エリアその後に湖畔を訪れました。
展望エリアではチベット族の踊りが披露されていて、かなり賑やかな雰囲気です。またチベットのタルチョと呼ばれる祈願旗(英語ではPrayer Flags)も見ることができます。タルチョは仏教の経文や真言(マントラ)が印刷された5色の布で、風になびくことで、お経を読み上げたのと同じ功徳があると信じられています。


ヤムドク湖に到着した頃には、乗り物酔いと頭痛でかなり体調が悪くなっていました。それでもヤムドク湖の美しさは本当に圧倒的でした。とりあえず何食わぬ顔で記念写真を撮り、その後はベンチで酸素缶を吸いながら安静にしていました。
チベット三大聖湖のひとつに数えられるヤムドク湖は、光の当たり方によってターコイズブルーから深いサファイアブルーへと表情を変えます。展望プラットフォームからは美しさがはっきり分からなかったのですが、湖畔に降りるとターコイズブルーのコントラストがくっきり見えました。背後にそびえる雪山とのコントラストも素晴らしく、今まで訪れた湖の中ではカナダのモレーン湖に劣らない美しさだと感じました。


ランチの後は、夏珠林寺(シャドゥブリン寺)に立ち寄ってからラサへ戻りました。
標高3,200mにあるこの寺院は、山肌に張り付くように建てられた趣のある古刹です。チベット仏教の守護女神パルデン・ラモの化身とされる女性の肉身(ミイラ)が安置されていることで知られています。
ラサ市内の有名観光地に比べると人が少なく、落ち着いた空気が流れていました。個人的には今回のチベット旅で訪れた中で一番心が落ち着いたお寺でした。こちらは他の寺院とは違って内部で写真撮影が可能です。


この日すべての観光を終えてホテルへ戻ったのは17:30頃。ツアー最終日の夜ということで、参加者全員で夕食会がありました。食事代はツアー料金に含まれていますが、ドリンクは別料金です。
夕食会ではチベットの民謡や踊りのパフォーマンスがあり、どれも興味深かったです。ツアー参加者と旅の思い出を振り返りながら、和気あいあいと過ごしました。


ホテルに戻ったのは21:00頃。ガイドに翌日のピックアップ時間を確認して、この日は解散しました。
5日目:ラサを出発
最終日は11:00発の飛行機だったため、朝8:00にはホテルを出発しました。
ホテルから空港への送迎は、08:30〜22:30の間であればツアー料金に含まれています。ただし他の旅行者との相乗りバスになるため、全員をピックアップしてから空港へ向かいます。そのため時間には余裕を持って、少し早めのピックアップをお願いするのがおすすめです。
私は午前中のフライトで出発しましたが、もう少しラサ観光を楽しみたい方は夕方出発の便にしても良いと思います。
個人的にはチベット博物館にも行きたかったのですが、今回は体力的にも時間的にも余裕がなく諦めました。
ラサのおすすめレストラン
このツアーでは最終日の宴会以外、夕食は含まれていません。ツアー終了後の自由時間に、自分で出前を頼むか、レストランへ行く形になります。ここではツアーガイドさんからおすすめされたレストランをいくつかご紹介します。
🎖️ ラサ・キッチン(Lhasa Kitchen)
八角街の近くにある人気レストランです。チベット料理、ネパール料理、インド料理などを楽しめます。ヤク肉のモモ、カレー、トゥクパ(チベット風うどん)などがおすすめ。屋上テラス席からは、八角街の賑わいを眺めながら食事できます。観光客に人気のお店ですが、値段はやや高めの印象です。
📍拉萨厨房 – 藏医院路4路雪域商场3楼


🎖️ マキェアメ(Makye Ame)
八角街の一角にある、黄色い外壁が目印の歴史あるレストランです。チベットの伝説的な詩人、ツァンヤン・ギャツォ(第6世ダライ・ラマ)が恋人と密会した場所と伝えられています。店内はチベットの伝統的な装飾が施されていますがかなり古い印象。メニューはチベット料理のほか西洋料理もあり、窓際の席からは八角街の景色を眺めることができます。
📍玛吉阿米·餐吧 – 八廓街道东孜苏路与八廓东街交叉口东南角


チベットの代表グルメ
ラサを訪れたら、ぜひ試してみたいチベットグルメをご紹介します。
🍖 ヤク肉料理
チベット高原の厳しい環境で育ったヤクの肉は、チベット料理を代表する食材です。赤身が多く脂肪分が少ないのが特徴で、味は牛肉に近いです。ステーキ、煮込み料理、餃子(モモ)の具材など、さまざまな料理で楽しめます。


🫖 バター茶(ポーチャ)
バター茶は、チベットの人々の日常に欠かせない飲み物です。紅茶にヤクのバターと塩を加えて作られ、かなり独特の風味があります。高地の厳しい気候の中で体を温め、エネルギーを補給するために飲まれているそうです。


🥟 モモ(チベット餃子)
モモは、チベットの伝統的な餃子です。ヤク肉や野菜を具材にして包み、蒸したり、焼いたり、揚げたりして食べます。スープに入れて食べることもあり、チベットの家庭料理として親しまれています。


FAQ:よくある質問
日本語は通じる?
今回利用した旅行会社は、英語と中国語での対応でした。現地ガイドも基本的には英語を使います。
ただしそこまで高度な英語力が必要なわけではありません。中学生レベルの英語力があれば、あとは翻訳アプリを活用しながら十分やり取りできると思います。
自由行動はできる?
はい、可能です。ツアーの行程はだいたい8:00〜17:00の間で、それ以外の時間帯は自由に観光したり、街歩きしたりできます。ラサは日没が21:00頃と遅いため、意外と自由時間はたっぷりあります。
ただしお寺に入る場合はチベット入域許可証の提示とガイドの同行が必要のようです。博物館や街歩きは自由に楽しめます。
現金は必要?
結論としては、ほとんど不要でした。ただし念のため少額の現金は用意しておくと安心です。
私は1万円分を両替して持って行きましたが現地では一度も使わず、すべてWeChat PayかAlipayで支払いました。
ただ同じツアーの参加者の話では、一部の場所でeSIMの電波が悪くアプリ決済がうまくいかなかった場面もあったようです。万が一に備えて、少額の現金を持っておくのがおすすめです。
Wi-Fiはある?
チベットのネット環境は、基本的に中国本土とほぼ同じです。
ホテルでは無料Wi-Fiが使えますし、外ではeSIMを利用できます。eSIMは中国本土と同じプランでカバーされていましたが、SIMカードに比べると通信がやや不安定でした。
ちなみに今回の旅は長めの日程だったので、中国の電話番号付きのSIMカードとeSIMの両方を利用しました。こちらのJoytelのSIMカードはチベットのサラでも


ほかに質問がある場合は?
上記の旅行会社へ直接問い合わせるか、私のInstagramからご連絡いただければ、分かる範囲でお答えします。
チベット・ラサの旅は一生の思い出
これまで40カ国以上を旅してきましたが、今回のチベット旅はこれまでとはまったく違う特別な体験でした。
海外にたくさん行っていると、どこも似たような感覚になることもあります。でもラサは飛行機を降りた瞬間から別世界。標高の高い場所で感じる体の変化、目の前に広がる景色、食べ物、街の空気。どれも独特で、今まで旅した場所とはまったく違いました。決して体力的に楽な旅ではありません。それでも訪れた人にしか分からない魅力がチベットにはあります。
ポタラ宮に象徴される壮大な歴史、チベット仏教の深い信仰、ヤムドク湖の雄大な自然、巡礼者の祈りが響く八角街、そして夜にライトアップされる幻想的なポタラ宮。
どの瞬間も、強く心に残っています。
そして今回の旅でもうひとつ大きな収穫だったのが、同じツアーで出会った仲間たちです。
アメリカ、ベトナム、オーストラリア、ロシア、韓国など、世界中から集まったメンバーなのに、不思議なくらい気が合い、旅の間にとても仲良くなりました。今でもInstagramでつながっています。
チベットの神々が、このご縁を引き寄せてくれたのかもしれない。そんなふうに感じています。
歴史、文化、自然、信仰、そして現代的な街の魅力がぎゅっと詰まったラサ。
この記事が、これからチベット旅を計画する方の参考になれば嬉しいです。

