中国に対する評価が大幅に改善、Pew調査37カ国で4万5658人を対象
中国に対する国際的な評価が、近年改善しています。米調査機関のピュー・リサーチ・センターが2026年2月8日から5月13日にかけて37カ国・地域で実施した調査では、中国に好意的な見方を示した人の割合が、各国の中央値で51%に達しました。一方、否定的な見方は39%でした。

調査は、アルゼンチンやブラジル、インド、インドネシア、日本、韓国、欧州諸国、米国などを対象に、計4万5658人から回答を得たものです。新型コロナウイルスのパンデミックが始まった2020年代初めには、中国への評価が多くの国で過去最低水準に近づきましたが、その後は肯定的な見方が広がり、一部では調査開始以来の高水準に戻っています。
| 主な指標 | 調査結果 |
|---|---|
| 中国に好意的な見方(37カ国・地域の中央値) | 51% |
| 中国に否定的な見方(同) | 39% |
| 中国を米国より好意的に見る国 | 25カ国 |
| 習近平氏に米大統領より信頼を寄せる国 | 22カ国 |
| 調査対象者数 | 4万5658人 |
新興国で高い評価、日本では11%にとどまる
地域別に見ると、中国への評価はサハラ以南のアフリカや中南米で比較的高く、欧州や北米では低い傾向が見られました。また1人当たり国内総生産(GDP)が高い国ほど、中国に否定的な見方が広がりやすい傾向も確認されています。
アジア太平洋地域では評価が大きく分かれました。パキスタンでは約9割が中国を好意的に見ているのに対し、日本では好意的な見方が11%にとどまりました。シンガポールは、高所得国でありながら中国への評価が国際的な中央値を大きく上回る例外的な存在となっています。
年齢による違いもあり、多くの国で若年層の方が高齢層より中国に好意的でした。国によっては、政治的に左派を自認する人が右派の人より中国を肯定的に評価する傾向も見られました。
イタリアやスペインで評価上昇
欧州の一部では、中国への評価が大きく改善しています。イタリアで中国に好意的な見方を示した人は51%で、2025年の45%、2022年の31%から上昇しました。ピュー・リサーチ・センターの約20年にわたる調査で、イタリア人の約半数が中国を肯定的に評価したのは初めてです。
スペインでも好意的な見方は54%に達し、前年から17ポイント上昇しました。中国への評価が肯定的な方に転じるのは2011年以来初めてです。コロンビア、ギリシャ、ハンガリー、インドネシア、マレーシア、メキシコ、ナイジェリア、ペルー、シンガポール、スリランカ、トルコでも、評価は過去最高またはそれに近い水準となりました。
ただし、すべての国で改善したわけではありません。イスラエルでは中国に好意的な人が19%にとどまり、前年の33%から低下しました。2019年には66%だったため、過去最低の水準です。タイでは11ポイント、南アフリカでは5ポイント、それぞれ好意的な見方が減少しましたが、両国ではなお肯定的な評価が否定的な評価を上回っています。

人権や領土問題をめぐる懸念は残る
中国の国際的なイメージが改善する一方、政府の統治や対外政策に対する懸念は根強く残っています。中国政府が国民の個人的自由を尊重していると答えた人が、調査対象37カ国・地域のうち約半数以上を占めたのは11カ国だけでした。北米、欧州の大半、日本、韓国、オーストラリアでは、おおむね4分の3以上が「尊重していない」と回答しています。
中所得国17カ国では、中国を信頼できるパートナーと見る人が多数を占め、世界の平和と安定に貢献していると考える人も、そう考えない人を上回りました。自国のような国々の利益を中国が外交政策に反映していると見る人も少なくありません。
ただし、他国の内政に干渉しているとの見方には地域差がありました。中国が他国に干渉していると答えた割合は、スリランカの68%からトルコの19%まで幅がありました。パキスタン、スリランカ、ケニアでは、中国が自国のような国々の利益を考慮していると答えた人が約4分の3以上に達した一方、コロンビアでは28%、トルコでは16%でした。
中国の評価改善は米国への見方の変化とも連動
今回の調査結果について、ピュー・リサーチ・センターは、中国への評価改善だけでなく、米国への評価が悪化したことも、中国が相対的に高く評価される背景にあると指摘しています。中国に対する見方は一枚岩ではなく、経済水準や地域、年齢層によって大きく異なります。
調査から浮かび上がるのは、中国が新興国を中心に経済・外交上の重要なパートナーとして受け入れられる一方、富裕国や近隣国では人権、自由、領土紛争、内政干渉への警戒が続いているという構図です。中国の国際的な影響力が拡大するなか、好意的な評価の広がりと、統治や対外姿勢をめぐる不信感が同時に存在しています。
[1] Views of China and Xi Are Improving Globally — Pew Research Center
