2026年FIFAワールドカップで加速する中国ブランドのグローバル展開

2026年6月30日 - ITテクノロジー ビジネス

2026年FIFAワールドカップは、中国代表チームの出場がないにもかかわらず、「Made in China」製品や中国企業の技術が大会のあらゆる場面でその存在感を示しています。インフラ整備から最新のAI技術、さらには文化的な側面まで、中国は今大会において重要な役割を担っています。

6月16日、米ミズーリ州のカンザスシティ・スタジアムで行われた2026年FIFAワールドカップ・グループJのアルゼンチン対アルジェリア戦で、ラブブ(Labubu)のぬいぐるみを掲げるアルゼンチン代表のサポーター。(写真:GETTY IMAGES)

インフラと交通の要を担う中国企業

今大会の共同開催国の一つであるメキシコでは、中国企業がインフラ整備に大きく貢献しています。開幕戦が行われたメキシコシティのエスタディオ・アステカは、中国鉄建工程局集団(China Railway Construction Engineering Group)を含む企業によって大規模な改修が実施され、スタジアムはより広々として近代的な姿に生まれ変わりました。

またメキシコシティ、モンテレイ、グアダラハラの3つの開催都市では、中国中車(CRRC)が製造した新型ライトレール列車115台が運行を開始。これらの列車は大会期間中「大会モード」で運行され、1日あたり125万人以上の観客を輸送する見込みです。メキシコシティでは、主要会場間のシャトルバスとして800台の新エネルギーバスが運行されており、その95%が中国製です。

最先端技術で大会運営を支える

中国企業はインフラだけでなく、大会運営をよりスマートで効率的にするための技術力も提供しています。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)システムが試合の高速化と複雑化に伴い重要性を増す中、高解像度でインテリジェントなディスプレイやコンピューティング機器への需要が高まっています。

中国のテレビメーカーであるハイセンス(Hisense)は、VAR向けにRGB-Mini LEDテレビを提供し、審判がピッチ上のアクションをより明確に確認できるよう支援しています。ハイセンスは、3大会連続でワールドカップの公式スポンサーを務めています。

また、国のテクノロジー企業であるレノボ(Lenovo)は、FIFAの公式テクノロジーパートナーとして、大会の運営全体にハイブリッドAIアーキテクチャを組み込んでいます。レノボは16のスタジアムすべてに機器を提供し、サーバーとAIモデルを展開してFIFAの技術的および運用上のニーズをサポートしています。特に注目すべきは、AIを活用した「デジタルツイン」技術です。3Dスキャンブースで参加者の全身データを1分でスキャンし、パーソナライズされた3Dデジタルアバターを作成します。これによりオフサイド判定などにおいてセンチメートル単位、さらにはミリメートル単位の精度で試合状況を再現することが可能となり、審判の判定精度向上に貢献すると期待されています。

FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は、中国企業がFIFAのイノベーション分野拡大において常に最前線にいると述べ、レノボとFIFAのパートナーシップがAI主導の画期的な進歩を生み出すことに期待を寄せています。

文化的な影響とブランドの浸透

今大会の開会式では、ポップマート(Pop Mart)の「The Monsters」シリーズの人気キャラクター「Labubu(ラブブ)」が、サッカーユニフォーム姿で登場し、ワールドカップトロフィーのレプリカを掲げて会場を盛り上げました。

Labubuの登場は、中国の消費者ブランドやエンターテインメントフランチャイズの国際的な影響力の高まりを示しています。またラッキンコーヒー(Luckin Coffee)やコッティコーヒー(Cotti Coffee)といった中国の飲料メーカーも、スペインやアルゼンチンなどの代表チームと提携を結び、文化とサッカーの融合に力を入れています。

進化する中国企業の役割

長年にわたり、中国企業はFIFAワールドカップにおいて、単なるグッズ供給者から、大会の核心的な技術インフラを提供する主要なプロバイダーへとその役割を大きく変化させてきました。世界知的所有権機関(WIPO)の2025年グローバルイノベーション指数では、中国が初めて世界のトップ10にランクインするなど、中国の技術革新への継続的な取り組みが国際的な評価を得ています。

中国企業のワールドカップへの関与は、その製造力と技術革新へのコミットメントを明確に示しており、今後も世界のスポーツイベントにおいて、その存在感を一層高めていくことでしょう。

      

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