春節ガラを彩ったロボットたちの競演

2026年2月17日 - 社会 行事

2026年の旧正月(春節)は、中国の人型ロボット産業にとって画期的な年となりました。中国中央電視台(CCTV)の春節晩会(春節ガラ)をはじめ、各地のイベントで人型ロボットが主役級のパフォーマンスを披露し、その技術の進化と普及の兆しを世界に示しました。

人型ロボットが春節の主役に

今年の春節ガラでは、Unitree Robotics(宇樹科技)、Galbot(銀河通用)、Noetix(松延動力)、MagicLab(逐際動力)といった中国を代表する人型ロボットスタートアップ企業が開発したロボットたちが、驚くべき演目を披露しました。特にUnitree RoboticsのG1とH2は、武術をテーマにした「WuBOT」の演目で、パルクール、酔拳、ヌンチャク、片足バク転、高難度のジャンプ、そして流れるような陣形変化といったアクロバティックな動きを見せ、観客を魅了しました 。

またNoetixのロボットがベテラン女優の蔡明(Cai Ming)との共演を果たすなど、ロボットと人間の協調性をアピール。これらのパフォーマンスは、単なる技術デモンストレーションに留まらず、伝統文化と最先端技術の融合を象徴するものでした。他にも、伝統的な獅子舞の衣装をまとったロボットや、書道、お茶を淹れる、餃子を包むといった、より生活に密着したデモンストレーションも行われ、人型ロボットが私たちの日常に溶け込む未来を予感させました 。

身近になる人型ロボット:低価格化と多様な応用

人型ロボットの普及は、エンターテイメント分野に留まりません。北京のショッピングモールでは、Booster Roboticsが開発した約20台の人型ロボットがサッカーやダンスを披露し、多くの市民の注目を集めました 。

特に注目すべきは、Unitree Roboticsが開発した量産型人型ロボット「G1」の登場です。G1は、約13,500ドル(日本円で約200万円)からという価格で提供されており、これはこれまで高価であった人型ロボットの価格破壊を意味します 。G1は23〜43個の関節を持ち、器用な手で物体の精密な操作も可能であり、教育機関や研究開発分野での活用が期待されています 。

中国が牽引する人型ロボット革命

Counterpoint社のレポートによると、2026年は人型ロボットが「スケールアップの年」と位置づけられています。2025年には世界全体で16,000台の人型ロボットが導入され、その中でも中国が導入をリードしているとされています 。

中国政府は、人型ロボット産業の発展を強力に後押ししており、AI技術との融合により、ロボットの自律的な意思決定能力が飛躍的に向上しています。Booster RoboticsのマーケティングディレクターであるRen Zixin氏は、「ホイッスルが鳴れば、リモコンは脇に置かれ、ロボット自身が意思決定と動作制御を行うAI環境だ」と述べています 。

しかし、その一方で、ロボットの着替えや、動作停止時の移動など、まだ人間の補助が必要な場面も存在します。これは、人型ロボット技術がまだ発展途上であることを示していますが、同時に今後のさらなる進化への期待も高まります 。

未来への展望

今回の春節での人型ロボットの活躍は、中国がロボット技術の分野で世界をリードする存在であることを改めて印象付けました。エンターテイメントから産業、そして日常生活へと、人型ロボットの活躍の場は今後ますます広がっていくことでしょう。2026年が「人型ロボットの年」として記憶されることは間違いなく、私たちはロボットが織りなす新たな未来の幕開けを目撃しているのかもしれません。