中国民間企業2028年に「宇宙旅行」開始へ — 人気俳優も搭乗予定
中国の民間宇宙開発が、新たな大きな節目を迎えました。成都に拠点を置く宇宙スタートアップ企業「インターステラー(成都穿越者空間科技有限公司)」は、中国初となるフルスケールの商用有人宇宙船テストカプセル「穿越者1号(CYZ-1)」を公開し、2028年までに商用飛行を開始する計画を明らかにしました。
100kmの高度から地球を眺める、わずか数分間の贅沢
今回公開された「穿越者1号(CYZ-1)」は、地上100kmの「カーマン・ライン(宇宙の境界線)」まで到達するサブオービタル(弾道飛行)用の宇宙船です。乗客は約3分から6分間の無重力状態を体験し、漆黒の宇宙を背景に輝く地球の輪郭を眺めることができます。
この宇宙船の最大の特徴は、その高い再利用性にあります。インターステラー社によると、質量ベースで最大99%の再利用率を目指しており、これにより運用コストの大幅な削減と宇宙ゴミ(スペースデブリ)の抑制を両立させる計画です。

チケット価格は300万元、すでに20名以上が予約
注目のチケット価格は、1名あたり300万人民元(日本円で約6,650万円)と発表されました。決して安価ではありませんが、すでに3機以上の宇宙船が予約されており、20名を超える乗客候補が登録を済ませているといいます。
驚くべきことに、その最初の乗客リストには、中国の人気俳優である黄景瑜(ホァン・ジンユー)氏も名を連ねています。同氏は「中国独自の宇宙船に乗って、自らの目で星の海に到達できることを光栄に思う」とコメントを寄せており、セレブリティによる宇宙旅行が現実味を帯びてきています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 機体名 | 穿越者1号(CYZ-1) |
| 運営会社 | インターステラー(成都穿越者空間科技有限公司) |
| 初飛行予定 | 2028年 |
| チケット価格 | 300万人民元(約6,650万円) |
| 飛行高度 | 約100km(カーマン・ライン) |
| 体験内容 | 3〜6分間の無重力体験、地球の観望 |

実現に向けた確かな技術力と安全性
宇宙旅行の実現において最も重要なのは安全性です。インターステラー社は2026年1月18日、CYZ-1の着陸緩衝システムの総合検証試験に成功したと発表しました。すべての指標が予想を上回る結果となり、開発は着実に進展しています。
乗客には事前の訓練が義務付けられていますが、プロの宇宙飛行士のような過酷なものではなく、一般の人でも耐えられる内容になる見込みです。同社は、国家レベルの商用有人宇宙飛行の許可を得た中国唯一の民間企業であり、その信頼性の高さを強調しています。
中国宇宙産業の新時代:観光から経済基盤へ
中国では、中科宇航(CAS Space)などの競合他社も2027年から2028年にかけての宇宙旅行開始を計画しており、民間主導の宇宙開発競争が激化しています。
インターステラー社は、この有人宇宙飛行プロジェクトを単なる観光事業としてだけでなく、製造業、バイオ医学、AI技術など、中国の広範な「宇宙経済」を活性化させるためのインフラとして位置づけています。2028年、中国の民間人が自国の技術で宇宙へと飛び立つ日は、すぐそこまで来ているようです。
※ 為替レート:1人民元=22.19円(2026年1月31日時点)
