ブダペストでBYD製電気バスの試験運行開始
【ブダペスト 2026年1月16日】
ハンガリーの首都ブダペストで、中国の電気自動車メーカーBYD(比亜迪)が製造した電気バスの試験運行が始まった。市当局は公共交通の脱炭素化とサービス向上を目的に、本格導入に向けた検証を進めている。
ブダペスト市は昨年11月から、BYD製電気バスについて車両検査やシステムチェック、充電試験などを実施している。1回の充電で最大約700キロメートルの走行が可能で、市内の車両基地には高速充電設備など関連インフラも整備された。
現在、市内では5台の電気バスが運行しており、これまで公共交通の利便性が十分でなかった地域を中心に投入されている。市の交通当局によると、2026年春以降に導入を本格化させ、通常型58台、連節型24台の計82台を運行させる計画だという。
実際に利用した市民からは、従来のディーゼルバスと比べて「揺れが少なく乗り心地が良い」「車内が静かで快適」といった声が聞かれる。車内の設計についても、手すりの配置などにより乗り降りしやすく、バリアフリー性が向上したとの評価が出ている。
導入される車両の一部は、ハンガリー西部コマーロムにあるBYDの生産拠点で製造される予定だ。同社は同拠点の機能拡充を進めており、欧州における電動交通市場の需要拡大に対応する構えを見せている。
排出ガスを出さず、騒音も少ない電気バスは、環境負荷の低減に加え、都市生活の質の向上にも寄与すると期待されている。多くの市民が日常的に利用する公共交通において、電動化の流れが今後さらに加速する可能性がある。
BYDはハンガリーでの事業基盤をさらに強化する計画を進めている。BYDは欧州事業の中核として、ブダペストに欧州本社を設立する計画を明らかにしており、同時に欧州向けの研究開発(R&D)センターも新設する予定だ。これにより、同社は欧州市場における現地化戦略を一段と進める構えを示している。
欧州本社の設立により、BYDのハンガリー国内拠点は計5か所となる。同社は2017年から西部コマーロムで欧州市場向けの電気バスを生産しており、2025年末には南部セゲドで電気自動車の生産開始も予定されている。さらに、バッテリー組立工場がフォートとパーティの2か所に設置される計画だ。
排出ガスを出さず、騒音も少ない電気バスは、環境負荷の低減だけでなく都市生活の質の向上にも寄与すると期待されている。公共交通の電動化と、中国メーカーによる欧州での投資拡大は、今後の欧州自動車産業の動向を占う上でも注目されそうだ。
