「敦煌文書」「ベトナム聖旨」などの版本が国家版本館の所蔵に

中国古代から近代までの史料、出版物、印刷物の版本を収蔵・展示する中国国家版本館の第一陣の版本寄贈・収蔵セレモニーが今月2日、北京で開催され、実物の版本約12万冊(点)やデジタル版本42テラバイト(TB)分が同館に収蔵された。それらの版本は、中国各地の関連公共所蔵機関や民間のコレクターが提供した古典原本、原物と同じサイズの複製本、精選された出版物、無形文化遺産作品、写真作品、書道作品、石碑の拓本、手書き原稿、切手・封筒といった実物の版本、及び各種文献データバンクのデジタル版本だ。寄贈された歴史的書物のうち、学術的価値のある書物が約80%を占めている。ここでは、今回の収蔵セレモニーで紹介された一部の実物版本を見てみよう。敦煌遺書(敦煌文書、古代文書群)これまで天津博物館が所蔵していた北斉の天宝9年(558年)の写本。「羯摩」とは、仏教制度を意味する。美しい字が書かれた同作品は、北斉の書物のあとがきの言葉で、非常に貴重な一品だ。1500年前に書かれた字であるものの、はっきりとしていて今なお鮮やかだ。

「仏説仏名経」巻第九これまで天津博物館が所蔵していた。作者は不明で、約1400年前の隋の時代の写本。ベトナム聖旨コレクター・金亮氏が寄贈したベトナム聖旨は、ベトナム嗣徳33年(1880年)の写本。聖旨は、中国式の形状・構造を採用しており、紙製で、両面に金や銀の粉で龍や雲、吉祥文様などが美しく描き出されている。国家版本館の関係責任者は、「国家版本資源建設調整・連動メカニズムを構築・整備し、保管代行、調整・借用、資源交換といった多元化した協力スタイルを模索し、募集・収蔵を着実に進め、版本収蔵の科学化水準を向上させる計画」と説明する。