コーチがいないスリランカ選手を他国のコーチたちがサポート 成都ユニバ

四川省成都市で開催中の第31回FISUワールドユニバーシティゲームズ(成都ユニバ)で3日午前、女子体操競技が行われ、ブルーのユニフォームを着たスリランカの女子選手が、ややぎこちなさもあるものの力強い段違い平行棒の演技を披露していた。その横で見守り、指導しているのは、トルコ代表のコーチだ。そして、スリランカ選手が演技を終えると、オーストリア代表のコーチが真っ先に迎えた。

試合後、記念写真を撮影するスリランカ代表選手(左)、トルコ代表のコーチ(中央)、スリランカ代表団の高官(右)。撮影・朱青同日、体操女子団体決勝と個人予選が行われ、スリランカ、チェコ、トルコ、南アフリカ、オーストリアが同じグループで戦った。このスリランカの女子選手は、FISUワールドユニバーシティゲームズに出場した初のスリランカ選手だ。スリジャヤワルダナプラ大学でスポーツ科学・管理を専攻している同選手は、スリランカ代表として、コモンウェルスゲームズに2度出場した経験がある。数日前、トルコ代表のコーチは、このスリランカの女子選手が1人で練習をしていて、コーチがいないことに気づいた。そして、「君はとても勇敢だ。トルコ代表の一員だと思って、最後まで演技を披露できるようサポートしてあげよう」と伝えたという。スリランカの選手の演技を見守るトルコ代表のコーチ(手前の白い服を着た男性)。撮影・譚暢同選手に同行しているスリランカ代表団の関係者は、この女子選手や他の選手が素晴らしい演技を見せるたびに、それをスマホで記録していた。ただ、この関係者は選手たちに専門的なサポートを提供することはできない。この関係者は取材に対して、「同じグループで戦っている他の国のコーチ数人が、最後まで演技を披露できるよう助けてくれるのを見て、とても感動した」と語る。この女子選手は、「スリランカ人として初めてFISUワールドユニバーシティゲームズの体操競技に出場できてとても誇りに感じている。試合中に助けの手を差し伸べてくれたコーチや選手に心から感謝している。たくさんの人が示してくれた関心と応援を胸に、専門知識を活かして、1人でも多くのスリランカの子供たちがスポーツを愛するようになるようサポートしたい」と語った。