中国、計算力水準が世界2位に

2023年7月31日 - 今月の話題 文明対話 経済

世界的な調査会社のインターナショナルデーターコーポレイション(IDC)、浪潮情報、清華大学グローバル産業研究院が共同で作成した「世界計算力指数評価報告書2022-23」がこのほど、北京で発表された。評価結果によると、中国のサーバー市場規模は2022年に6.9%のプラス成長を維持し、世界市場の25%を占めた。17−22年の複合年間成長率は48.8%。国の計算力指数ランキングを見ると、中国の計算力水準は世界2位で、世界をリードする国になった。人民日報が伝えた。

計算力はデジタル経済時代の新たな生産力として、科学技術の進歩の推進、業界のデジタルトランスフォーメーションへのエンパワーメント、経済・社会の発展の促進に対して日増しに重要な役割を果たしている。中国の計算力産業は近年持続的に発展し、イノベーション力が日増しに向上している。22年末現在、中国のデータセンターの使用中の19インチラックの総規模が650万台以上、計算力の総規模が180EFLOPSに達している。クラウドスマートコンピューティングプラットフォーム「CFFF」(Computing for the Future at Fudan)がこのほど、復旦大学でリリースされた。

高速データ伝送ネットワークとクラウドコンピューティング技術に基づき、復旦大学のキャンパス内に配置された「近思1号」と、1500キロメートル離れたアリクラウド烏蘭察布(ウランチャブ)データセンターの「切問1号」が真の意義の「スパコン」を構成している。異なる応用シーンにおける科学スマート研究と応用の需要を満たす。長年にわたりメソポーラス材料の研究に従事している中国科学院院士で復旦大学化学学部の趙東元教授は、CFFFの構築成功に大きな期待を寄せ、「実験科学のデータが非常に多く、もし文献データを通じある材料を設計する最良の方法が見つかれば多くの時間を節約できる上、物質への認識もさらに深まるだろう」と述べた。スマート倉庫は受注後、指定された貨物を自動で仕分けし出庫し、無人搬送車(AGV)により自動運転トラックに輸送する。「緑波帯」信号調整技術がトラックの優先的な通行を保証する。重慶両路果園港総合保税区で、エッジコンピューティングを始めとする新世代情報技術の大規模導入が完了し、スマート物流の新モデルが構築されようとしている。レノボ(聯想集団)5Gスマート交通ソリューションディレクターの李虓氏は、「路傍感知設備及びエッジコンピューティングプラットフォームを利用し、車と道路のスマート監視を実現する。5Gネットワークにより車載ネットワークデータをエッジコンピューティングノードに分散し、プライベートクラウドがサポートするクラウドコントロールプラットフォームと結びつけることで融合分析とデータ配布を行い、最終的に路車協調を達成する」と説明した。港の物流以外にも、計算力によるエンパワーメントがその他の競争の場と分野に広がっている。黄河デルタ国家級自然保護区は、渡り鳥の重要な中継地、越冬地、繁殖地で、「鳥類の国際空港」と称えられている。ここでは近年スマートモニタリングシステムが建設された。保護区で20年以上働く上級エンジニアの単凱氏は、大量の「獣類ベルトトランセクト法野外調査記録表」に完全に別れを告げた。中国情報通信研究院が発表した「中国計算力発展指数報告書(2022年)」によると、中国の計算力応用はインターネットから徐々に、電気通信、製造、教育などの分野に広がっている。各業界の計算力応用の分布を見ると、インターネット業界はデータ処理やモデル訓練の需要が持続的に増加し、計算力全体の50%を占め、計算力の需要が最大の業界となる。政府業界は12%で2位。サービス、電気通信、金融、製造、教育、輸送はそれぞれ3−8位に並び、うち応用シーンが豊富な製造業は、計算力の需要の高いポテンシャルを秘めている。