10Gbps超高速通信、無電源IoT、自動運転…杭州アジア競技大会の先端技術の数々

中国では2019年に5Gネットワークの商用化がスタートしてから現在までの間に、各業界が「5G+」を通じたデジタルトランスフォーメーション(DX)による高度化を相次いで打ち出してきた。最新の移動通信技術の成果は同様に杭州2022アジア競技大会にも幅広く応用される見込みだ。

中国移動通信集団浙江有限公司(浙江移動)はこのほど、華為(ファーウェイ)と提携して世界トップレベルの通信テクノロジーを駆使し、杭州でいち早く5Gアドバンスト(5G-Aまたは5.5G)ネットワークのテスト・検証を行うとともに、この技術を杭州アジア競技大会の各シーンにおけるスマートコネクテッドカーやスマート競技会場管理などに応用すると発表した。

浙江移動は杭州オリンピックスポーツセンターからアジア競技大会の選手村までの区間で、中国初の5G-Aによる10Gbps超高速通信ネットワークを応用したモデル路線を建設した。同センタースタジアムの外で体験カーに乗ってみると、車載モニターにより車両の位置とネットワークの実際の通信速度がリアルタイムで表示されていた。5G-Aは実際にはどれくらい速いのか。スタッフが速度測定ボタンを押すと、ネット速度が一瞬で10Gbpsを超え、5Gの1Gbpsより10倍速くなったことがわかった。フルシーンIoT アジア競技大会のスマート化管理をサポート

体験カーがアジア競技大会選手村の充電スタンドに到着すると、スタッフが無電源のモノのインターネット(IoT)の小さなラベルを見せてくれた。スタンドの資産点検システムが体験カー内の無電源IoTラベルを自動的に識別するという。スタッフは、「このラベルは小さいが、無電源接続の状況で、屋外の200メートル以上先にある基地局と通信することができ、この超長距離のカバー能力は目下のRFID(無線周波数識別)を大幅に上回る。同時に、ラベル識別の精度は99%に達する。無電源IoTは5G-Aネットワークによって新たに加わったIoTの能力で、ラベル類の接続に利用されると同時に、精度の高い位置測定、マイクロセンサー類の接続に対応でき、物流、工業生産、電力産業、牧畜業など幅広い応用の見通しがあり、数百億レベルの接続の可能性をもたらす」と説明した。アジア競技大会専用バスが登場 自動運転が開放的体験を提供9月に浙江省湖州市に来て、アジア競技大会を会場で観戦しようと思えば、5G技術に基づいて建設された自動運転バスに乗ることができる。この新設された公共交通モデル環状線は全長10キロメートルに達し、9つの停留所があり、徳清軒スポーツセンターと徳清地理情報タウンバスケットコートの2つの競技場の間を往復する。

このバスに乗ってみると、車内は快適な温度に保たれ、各種設備が整い、長方形のモニターには走行中のルートがリアルタイムで表示される。安全オペレーターが運転席に座り、自動運転の状況をチェックしていた。バスは時速50キロメートル以下で安定的に走行し、追い越される時や赤信号になった時は、すぐに感知してゆっくりと停車する。

スマートが杭州アジア競技大会の開催理念の1つだ。5G時代のアジア競技大会は、観戦や競技参加など各分野でスマートの理念を体現することになる。杭州アジア競技会では、数万人の観客が会場で5Gネットワークを同時に利用して画像や動画を受配信でき、動画による通話が行える。「スマート会場ブレーン」が全体の状況をリアルタイムで感知した上、設備のモニタリング、遠隔操作、人の管理を行い、会場の安定的な運営を保証する。裸眼3D立体視、5G+フリービューポイント、5G+仮想現実(VR)技術を通じて、観客は空間的制約に縛られずに、自分だけの観戦体験を楽しめるようになる。