新エネ車生産2000万台を支える「中国のスマート製造」の力

2023年7月5日 - 今月の話題 経済 貿易

広東省広州市で3日、中国の2000万台目の新エネルギー車のラインオフ・イベントが開催された。これは中国の新エネルギー車の発展における歴史的瞬間であり、「中国のスマート製造」の力を示すものだった。自動車は「現代工業という王冠に輝く真珠」と称され、現代工業技術の集大成であり、国の製造力を体現する最も重要な象徴の1つとされている。国家戦略「中国製造2025」(メイド・イン・チャイナ2025)は、自動車産業を新戦略における重点的ブレークスルー分野と位置付けている。自動車製造における生産のスマート化と高度のオートメーション化の実現は、「中国製造」を「中国のスマート製造」へと力強く後押ししている。中国自動車工業協会常務副会長兼秘書長の付炳鋒氏は、「中国の新エネルギー車の生産台数が2000万台に達したことは、中国の新エネルギー車が産業化と市場化を基礎に、大規模化やグローバル化という質の高い発展の新たな段階に入り、実体経済を支えとする現代的産業体系の重要部分になりつつあることを意味する」と指摘する。新エネルギー車の生産台数が2000万台に達したことは、中国市場が世界をリードする規模であることを示している。2022年に中国で販売された新エネルギー車は688万7000台で、市場シェアは前年を12.1ポイント上回る25.6%に上昇し、世界の販売台数の60%以上を占めた。ブランド競争力も大幅に向上した。中国自動車工業協会によると、2022年、中国ブランドの新エネルギー乗用車の国内販売シェアは79.9%に達し、前年比で5.4ポイント上昇した。新エネルギー車の輸出台数は67万9000台に達し、前年同期の2.2倍となった。世界の新エネルギー車販売台数の上位10社のうち3社を中国が占め、車載電池の容量では上位10社のうち6社を中国が占めた。さらに、新エネルギー車の生産台数が2000万台に達したことは、「中国のスマート製造」の力を示すものでもある。広州市広汽埃安の第1スマート製造センターの組み立て生産ラインでは、高密度に設置された機械アームが休むことなく動き続け、無人運転のAGV車が行き来している。広汽埃安の関係責任者によると、同生産ラインでは溶接、プレス、塗装、組み立てなどの部分がほぼ自動化されている。新エネルギー車は、世界の自動車産業のモデル転換と高度化、グリーン発展の主要な方向性であり、中国の自動車産業の質の高い発展のための戦略的選択でもある。一連の政策支援により、中国のICV(インテリジェント・コネクテッド・ビークル)は、自動車製造、情報通信、道路交通など多くの分野で革新的発展を遂げており、産業環境は日増しに豊かになっている。新エネルギー車の核心部分である車載電池では、中国は車載電池材料と新技術の応用でブレークスルーを遂げ続けており、材料の研究開発から電池生産、回収利用、設備サポートに至るまで、世界で最も産業チェーンが整い、規模が最大の車載電池産業システムが形成されている。技術面では、中国の新エネルギーは近年、複数分野の様々な技術においてそれぞれブレークスルーを遂げ、完成車のスマート化レベルの著しい向上を後押ししてきた。