中国で卒業見込み大学生が初めて1000万人の大台突破へ

2022年4月27日 - 未分類

中国教育部(省)の統計によると、2022年度の中国の卒業見込み大学生は前年比167万人増の1076万人に達し、初めて1000万人の大台を超え、規模、数共に過去最高を更新した。人民網が各社の報道をまとめて報じた。

今年の春の就職シーズンは、新型コロナウイルス感染症の影響や業界の変化の影響を受けて、財務や総務、人事といった事務系のポストの競争指数が高くなっており、1ポスト当たり平均16‐30人が履歴書を送っている。ただ、人工知能や新エネルギー車、半導体、バイオ医薬品といった関連の学科を卒業する予定の学生をめぐっては、企業側が争奪戦を繰り広げている。うち、人工知能関連のポストの給与は一時高給ポストランキングトップに立ち、2万3960元(1元は約19.8円)に達した。

四川省のある家電企業の企画部部長は、「当社は新エネルギーや半導体、コンピューターメモリといった新興産業の分野の布石打ちを進めており、たくさんのハイレベル人材を必要としている。この種の学科の卒業見込み大学生を呼び込むために、定住基金や不動産購入補助金、配偶者の就職バックアップ、従業員出資といった優遇策を提供している。また、当社も、社会保険減免などの就職促進優遇政策を利用することができており、企業が納める分の社会保険が50%免除となっている」と説明する。

できるだけ多くの卒業見込み大学生を呼び込もうと、各地があの手この手で誠意を示している。例えば、浙江省や四川省は、大学生と雇用する企業に、それぞれ1千元から数万元の生活補助金や就職補助金を給付し、広東省も企業に対して、卒業見込み大学生のためにできるだけ多くのポストを用意するよう奨励している。その他、教育部も高等教育機関の主な責任者に対して、できるだけたくさんの企業を訪問して、学生の就職を促進するよう要請している。

1000万人の大台突破が意味することは?

卒業見込み大学生には、専科(短大に相当)生、学部生、修士課程、博士課程の大学院生が含まれており、同グループはここ20年の間、100万人規模から1000万人規模まで拡大した。

求人人サイト・前程無憂が発表した「2022卒業見込み大学生の秋の就職活動状況」によると、卒業見込み学部生の半数以上が大学院試験を受ける意向を示し、修士の約3割が博士課程に進むことを検討していた。一旦卒業した後に、進学する人も増加傾向にあり、2022年の中国全土の大学院(修士)試験申込者数は457万人と、2021年に比べて80万人増加した。

大学院試験のほかに、公務員試験もある。ある教育機関の統計によると、2019-2022年度、国家公務員試験において、新卒大学生だけを対象にしたポストが占める割合は39%から58%に上昇し、その人数も42%から67%に増加した。

ある調査研究統計によると、今年の公務員試験の資格審査をクリアした人の数も初めて200万人の大台を突破した。ただ、実際の採用人数は3万1200人だ。

就職に関して、中国社会科学院大学職業発展カリキュラム指導を担当する肖金菊教師は、「大学生は就職にもっと正面から向き合わなければならず、風の便りをあてにしたり、盲目的に周りに流されたりしてはならない。その他、市場は目まぐるしく変化しており、産業の発展に関して、将来を見据えた注目の仕方、考え方をし、関連の知識、スキルの準備について考える時も、先見の明を持たなければならない」と指摘する。