淘宝のウルトラマンの検索回数が年間2億回以上にその人気の秘密は?

「ウルトラマンを52個集めると、2021年は毎週、ウルトラマンが守ってくれる」、これは最近、中国の微信(WeChat)で人気となっている新年の挨拶ネタだ。銭江晩報が報じた。

「ウルトラマンって本当はそれぞれ違うんだね!」と言われているように、ウルトラマンの名前とルージュのカラーの違いというのは、人類を常に悩ませてきた究極の謎と言えるかもしれない。そんな「ウルトラマン」が今回、ショッピングサイト・淘宝の2020年度人気検索ワードランキングトップ 10にランクインし、なんとその検索回数は2億回以上となっている。

銀色のマスクに覆われ、ぴったりしたスーツを身に着け、頭にウルトラホーンがあるウルトラマンはもうすぐ誕生55周年を迎えるが、なぜ今になって「ファッションリーダー」になっているのだろうか?

アクティブなウルトラマンファンたち、検索回数は2億回以上に

ネット上で、「希望と光を信じて」や「彼氏にウルトラマンは実在しないと教えてみたら」などが流行のネタとなり、ウルトラマンティガやウルトラマンZなどが話題となり、盛り上がるのを目にし、浙江省杭州市に住む80後(1980年代生まれ)の阿俊さんは、彼にとってスーパーレジェンドであるウルトラマンが依然として光を放ち続けていると感じている。

阿俊さんは4年前、息子ができ、父親になった。そんな彼の今年最大の収穫は、もうすぐ幼稚園に通い始める息子もウルトラマンのファンになったことだ。「今はおもちゃ屋に行くと、僕も息子も一つずつウルトラマンを買う」という。

中国全土に広がるウルトラマンファンたちは、実はすでに中年となっている人も少なくない。しかし彼らは、夢に満ち、正義の味方だったたくましいウルトラマンの姿を今も決して忘れてはいない。あるネットユーザーは、ネットに会社のデスクの上に一列に並べたウルトラマンの写真をアップし、「ウルトラの父がちょっと古くなっているけど、それ以外は問題なし。青春が帰ってきた」と綴っている。また、「子供の頃は、ウルトラマンシリーズを見る時、ストーリーだけを楽しんでいた。でも、もっと奥深くにあるものは、人生経験のない人には分からない」とする人もいる。阿俊さんは、「中年になったウルトラマンファンが見ているのは、希望と光だ」と話す。

ウルトラマンファンがこれほどアクティブであるため、淘宝でも「ウルトラマン」の検索回数が最近、急増している。その回数は2018年の1億7000万回から2020年には2億7000万回まで増えた。

ウルトラマンが「ファッションリーダー」に

1966年に初放送された「ウルトラマン」はもうすぐ55歳の誕生日を迎える。そんなウルトラマンは最近、金属のような光沢のあるカラー、レオタード、ケープなどのファッションの代名詞になっている。ネットユーザーからは、「紛れもないファッションリーダー」と呼ばれている。

上海新創華文化発展有限公司のデジタル事業部の肖寒氷・総監は、「『ウルトラマン』は、各世代の人々の青春時代の思い出となっている。ウルトラマンは常に、いろんなスタイルで、いろんな分野に姿を現し、人々の話題になってきた。そして、2020年にはさらにその輝きを放つようになった」と話す。

「ウルトラマンシリーズのファンはとても多い」とする肖総監は、「当社は2004年に『ウルトラマンティガ』を手掛けるようになった。80後はウルトラマンシリーズに一途な思いを抱いている。近年、2世代のファンが互いに理解を示し合い、ウルトラヒーローズは常にレベルアップして怪獣を倒し、さらに大きなステージに立つようになっている」と話す。

そして、「びっくりするかもしれないが、ウルトラマンシリーズのカードだけでも、売上高が10億元(1元は約15.95円)を超えている。今でも毎月、1万点のペースで売れ続けている。モーメンツの話題をさらったウルトラマンゼロの微信(Wechat)ステッカーは、昨年10月にリリースされてから、これまでに2億7000万回ダウンロードされた」と説明する。

では、ウルトラヒーローズで最も人気なのはどのウルトラマンなのだろうか?肖総監によると、「ウルトラマンシリーズは毎年、新作がリリースされ、商品のSKU数が160ほど増える。長期的に見ると、ウルトラマンティガとウルトラマンゼロが一番人気」という。

ウルトラマンティガ

ショッピングサイト・天猫が発表した「最も人気の2次元(アニメ・漫画・ゲームなどを総じたジャンル)関連商品」ランキングを見ると、若者に最も人気となっているのは、ウルトラマン、アイアンマン、ONE PIECE、NARUTO -ナルト-、魔道祖師などだ。

ある業界関係者は、ウルトラマンの関連商品が再び爆発的人気になっていることについて、「Z世代(1995年代後半から2009年生まれの世代)の新しい消費力が台頭しているということ。名作には、元々多くの人が深い思いを寄せ、文化的価値があり、人々の感情とリンクするという特徴がある。それをいかに活用して、新たなつながり、コミュニケーションを作り出すかが、多くのブランドが考え、学ぶべき点だ」と指摘している。(編集KN)

「人民網日本語版」2021年1月7日