2017中日女性科学者会議が北京で開催

2017年11月6日 - News

中日両国の女性科学者の交流を強化し、両国の科学研究交流と連携を促進しようと、中国科学院(CAS)と日本科学技術振興機構(JST)が共同で開催する2017中日女性科学者会議が3日、北京で開幕した。中国科学院大学の丁仲礼学長、第11期全国政治協商会議副主席、中国女性科学者協会会長を務め、中国科学院院士である王志珍氏、全国人民代表大会常務委員を務める、中国女性科学者協会常務副会長の方新氏、全国政治協商会議委員、西安電子科技大学当委員会書記を務める、中国科学技術協会副主席の鄭暁静氏、日本の自由民主党参議院議員、元科学技術大臣の山東昭子氏、日本理化学研究所の小谷元子理事、JSTの沖村憲樹特別顧問などのゲストが開幕式と歓迎パーティーに参加した。中国科学院院士・曹暁風氏が会議の司会を務めた。人民網が報じた。

王志珍会長は開幕式で、中国の女性科学者の現状を紹介し、「15年、中国の高等教育を受けた女性卒業者数は、卒業者総数の52.7%を占めている。中国で科学技術の仕事をしている女性は現在、3600万人おり、科学技術従事者全体の40%を占めている」としたものの、「科学技術に従事する女性のうち、ハイレベル人材の割合は依然として低く、科学技術、経済、社会の各分野で、十分に活躍することができていない」と指摘。そして、「そのため、中国政府や関連機構は、一連の対策を講じている。例えば、女性は、出産を理由に科学研究プロジェクトの総括期限を遅らせることができるようにしたり、全国学会で在任する女性のハイレベル科学技術人材の割合を高めたり、科学技術に携わる女性に合わせた学術活動を開催したりするなどして、科学技術に従事する女性チームの構築やそれらの女性自身のキャリア成長を促進できるようにしている」と語った。

同会議の発展をこれまで見守ってきた山東氏は、「中国は近年、科学技術革命の分野で大きな事を成し遂げてきた。科学技術革新で最も重要な人材的要素である女性の科学者は大きな貢献をしており、中国の女性科学者の参加度は日本を大きく上回っている。これは本当に羨ましい限り。日中両国は高齢化社会に突入しており、今回の会議のテーマ『生命科学と医学』は、国民の健康に直接影響する。日中両国の女性科学者が積極的に意思疎通を図り、交流することで、同分野の科学研究の現状を一層よく理解し、社会の実際の問題を解決し、社会の発展を促進するために貢献することを願っている」と語った。

歓迎パーティーで、丁学長は、「当校は毎年、修士課程で学ぶ大学院生1万5000人を受け入れている。うち、43%が女性。しかし、卒業後に実際に科学研究や教育などの分野で仕事をしている人の数は限られている。同会議の開催により、女性の卒業生、女性科学者に模範を示すことがでればうれしい。女性科学者になることは誇らしいことで、社会から敬意を示されるべき」との見方を示した。

沖村特別顧問は挨拶の中で、「同会議は様々な原因から数年中断していた。昨年、『日本・アジア青少年サイエンス交流計画』(さくらサイエンスプラン)を通して、方常務副会長率いる一行が日本を訪問された。また、鄭副主席率いる一行も夏に京都で開催された日中の科学技術政策をめぐるハイレベル会議に参加された。これらの交流を機に、山東氏のサポートと提案の下、日中双方は会議の開催再開を決めた」と紹介した。

1980年に中日両国が「中日科学技術協力協定」を締結して以降、両国の学術交流は継続的に発展し、科学技術や学術交流が、中日友好事業の重要な位置を占めるようになっている。92年、中日国交正常化20周年を記念して、中日女性科学者会議が北京で初めて開催された。今年の会議のテーマは「生命科学と医学」。このテーマが選ばれた理由に関して、方常務副会長は、「生命科学と医学の分野は、科学技術の発展の過程全体で重要な位置を占めている。また、同分野の研究には、多くの女性科学者も参加しており、一流の研究成果をあげている」と説明した。(編集KN)

「人民網日本語版」2017年11月6日