1日1万歩を歩けば健康になれる?年齢によって異なる適度な歩数
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「すごい。WeRunの今日の歩数ランキングトップがお父さんになってる!2万歩も歩いたんだ!」といったように、毎日何歩歩いたのかを何度もチェックし、何が何でも1万歩に達しないと、と感じてる人も多いかもしれない。しかし本当に1日に1万歩(約5キロ)歩くべきなのだろうか?中国日報が報じた。
この数十年、健康のためには「1日1万歩歩こう」というのが新たなスローガンとなってきたが、実はそれが健康的で、ダイエットにつながるという科学的根拠はない。
年齢によって異なる適度な歩数
ハーバード大学医学部のイ・ミン・リー疫学教授は、1日1万歩歩くことの実際の効果に焦点を合わせた最初の研究結果を2019年に発表し、その後も、他の大規模なプロジェクトをいくつも実施してきた。これらの研究結果によると、たくさん運動すること自体はもちろん良いことではあるものの、その実際の効果はある一定の数字に達した後は、横ばいになるという。
そしてどのくらいの距離を歩くと効果が最高値に達するかは年齢によって異なる。例えば、60歳以下の男女の場合、1日に8000歩から1万歩歩くと、寿命が延びるほか、心臓や血管の健康にも効果がある。一方、60歳以上の男女の場合、1日に6000歩から8000歩歩くのが最適だ。
その違いは、両者にはエネルギー消費に差があるからだ。専門家によると、「高齢者のほうが、1歩ごとに消費するエネルギーが多い。そのため、6000歩から8000歩歩けば、同様のトレーニング効果を得られる」という。
重要なのは速度ではなく歩数
また歩く速度よりも、合計何歩歩いたかのほうがより重要だ。イ教授は、「歩数が同じである場合、そのスピードが重要かと言うと、現時点での研究では、『重要ではない』というのがその答えだ」との見方を示す。
米マサチューセッツ州立大学のアマンダ・パルハ疫学教授は、「速いスピードで歩けない人にとっては、1日当たり歩数を数千歩増やすと効果がある可能性が高い」との見方を示す。彼女が率いて進めたメタアナリシス2件では、歩数と死亡リスク、心血管疾患リスクには関連があることが分かったという。そして、「この結果から言えることは、1万歩などの数字にこだわらずに、『もっと体を動かせ』ということだ」と結論付けている。