中国国産旅客機C919が初の国際定期便【北京 – ウランバートル線】で運航開始
中国国際航空(エアチャイナ)は12日、中国商用飛機(COMAC)が開発した国産旅客機「C919」を、北京とモンゴルの首都ウランバートルを結ぶ定期便に投入しました。C919が外国の都市を結ぶ国際商業路線で定期運航するのは初めてです。中国の旅客機産業にとって、国内市場を中心としてきた機体が海外運航へ踏み出す節目となります。

毎日1往復、運航実績と計画時刻に差
対象となるのは、北京首都国際空港とウランバートルのチンギスハーン国際空港を結ぶCA723便・CA724便です。毎日1往復を予定し、往路は北京を午後3時に出発して午後5時15分に到着、復路は午後6時30分にウランバートルを出発して午後8時35分に北京到着です。なお運航時刻は今後変更される可能性があります。
就航日に到着した機体は、チンギスハーン国際空港で放水アーチの歓迎を受け、モンゴルの伝統衣装を着た関係者による出迎えや民族舞踊も披露されました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 路線 | 北京 ― ウランバートル |
| 航班番号 | CA723/CA724 |
| 運航会社 | 中国国際航空 |
| 運航頻度 | 毎日1往復の予定 |
| 初日の実績 | 往路は北京を午後3時ごろ出発、現地時間午後4時58分着。復路は午後7時4分発、午後8時49分着 |
| 機体 | 中国商用飛機(COMAC)製C919 |
国内で750万人超を輸送、香港線に続く海外展開
C919は中国商用飛機が開発した単通路型の大型ジェット旅客機です。中国民用航空局から2022年9月に型式証明を取得し、2023年5月には中国東方航空で初の商業飛行を行いました。標準仕様の座席数は158~192席、航続距離は4,075~5,555キロメートルです。
今回の就航まで、C919の商業運航は主に中国国内で行われてきました。8月10日時点で中国国際航空、中国東方航空、中国南方航空が運航するC919は、25都市を結ぶ57路線で運航され、累計旅客数は750万人を超えています。
C919は海外の航空ショーやデモンストレーション飛行には以前から参加していました。2024年にはベトナム、ラオス、カンボジア、マレーシア、インドネシアを訪れ、空港設備、地上支援機器、運航手順との適合性を確認しました。 また2025年には中国東方航空が上海―香港線で、続いて中国国際航空が北京―香港線でC919を運航していました。 ただし今回のウランバートル線は香港線とは異なり、外国の都市を結ぶ定期国際路線としての初運航という位置づけです。
国際市場進出の「第一歩」、整備支援網が課題
今回の就航は、C919が国境を越えて飛行できることを示すだけでなく、海外で機体を継続的に運用する体制を築く試金石でもあります。航空機の国際展開には、乗員の訓練、整備、交換部品の供給、技術支援、地上業務など、飛行そのもの以外の仕組みも欠かせません。
民間航空業界の専門家は、C919にとって重要なのは単に遠くまで飛ぶことではなく、より厳しい条件の空港や異なる航空市場で運航経験を積むことだと指摘しています。また主要な海外規制当局による認証は市場参入の扉を開く重要な要素ですが、それだけで国際展開が決まるわけではなく、海外の整備・部品・訓練網の整備が今後の課題になるとしています。
Aerospace Global Newsも、欧州航空安全機関(EASA)による認証手続きが続いていることや、C919が米国・フランス系のCFMインターナショナル製「LEAP-1C」エンジンなど、国際的な供給網に支えられていることを指摘しています。 そのため今回の路線開設だけでC919が世界市場で広く普及する段階に入ったと判断するのは早く、今後は運航実績を積みながら、海外での支援体制と各国の認証をどこまで広げられるかが焦点になります。
C919の国際定期便は、まずは中国に近いモンゴルへの短距離路線から始まりました。とはいえ国内線で蓄積してきた運航経験を海外へ移し、実際の国際路線で旅客を運ぶ段階に進んだことは、中国の民間航空機産業にとって大きな前進です。就航先を増やすことに加え、機体の増産、保守・部品供給の安定化、海外当局や航空会社からの信頼獲得を同時に進められるかどうかが今後の課題です。
