北京「中日共同成人式」のあの時とこれから
中日の若者たちが成人を祝う「中日友好成人式」が13日、北京で開催された。同イベントは北京の日本人留学生団体である北京日本人留学生社団(BJSA)が企画し、中国人と日本人の新成人合わせて145人が参加した。新成人として7年前に「第1回中日共同成人式」に参加した筆者は今回は取材のため、同イベントに参加した。
日本ならではのイベント目指し、スタートした「中日共同成人式」
同イベントを立ち上げたBJSA元実行委員の馬鴻志さんは、「北京の各大学の日本人留学生同士の交流を増やそうと結成したのが始まりで、各大学の日本人留学生の力を合わせ、日本ならではの大きなイベントを開催しようと案を出し合った結果、『成人式』にたどり着いた。中国では1月上旬は期末試験の直前であり、日本人留学生たちにとっては参加の難しい時期。一方、中国人学生にとってはなかなか経験できないイベントのため、日本国大使館に後援を依頼して開催に向けた準備に取り掛かった」と当時の状況を紹介してくれた。
現在のように微信(WeChat)のようなSNSも留学生の間では浸透していなかったため、各大学の日本人生徒会長が学内メーリングリストで案内を出したり、日本語学科の中国人学生と連携して中国人学生の参加を募ったという。こうした地道な努力が実を結び、開催1回目で参加者約120人という盛大なイベントになった。当初は798芸術区だった会場も第3回目からは毎年日本大使館で行われるようになった。
馬さんは、「長く続くイベントにしたかったので、まもなく10周年を迎えられることが本当にうれしい。実行委員は留学生のため入れ替わりが激しいが、今後もしっかり引き継いで、ずっと続けていって欲しい」と語る。
中日が協力し、世界の架け橋に
中日友好条約締結40周年の節目の年である今年、「中日友好成人式」は第8回目の開催を迎え、中日友好の役割を果たすイベントの一つへと発展した。
日本人新成人代表で中日ハーフの陶雅澄さんはイベント後のインタビューに、「日本で成人式に参加したいという気持ちがあったため、中国で参加できたことに心から感謝している。成人したことをはっきりと認識できた日。中国にいる友人たちに日本の伝統文化を紹介できるいい機会になった」とし、「将来インターネット上で日中友好のプラットフォームを築き上げたい」とその夢を語った。
また、中国人新成人代表の李睿苗さんは、「今までも多くの中日交流イベントに参加してきた。民間の友好交流も、中日の友好促進に大いに貢献していることが実感できた。今後も民間レベルの交流イベントに参加し、情報を発信し合い、より良い関係を築けるように尽力していきたい」と語った。
彼ら同様、中日友好の「架け橋」を志す一員として、第1回から掲げられてきた精神が現在まで受け継がれていることは、非常に心強く思えた。
今回、横井裕駐中国日本大使が、「日中両国の架け橋になるだけでなく、柔軟で斬新な発想で共に協力し、世界の架け橋となることを期待している」と述べた祝辞は、新成人だけではなく「架け橋」を志す全ての人の心に深く刻み込まれたことだろう。