時空を超えた藝術の宴、梅蘭芳の遺産をたどって–大阪府日中友好協会 第64回文化茶話会「京劇の世界」参加者からの感想文
歴史の中には、国境を越えて、さまざまな伝統芸能の心をつなぐ文化の宝物があります。このたび開催されました大阪府日中友好協会主催の第64回文化茶話会は、「京劇の世界」をテーマに、時空を超えた素晴らしい藝術の宴をお届けし、日中両国の文化交流に新たな彩りを添えました。
約300年もの歴史を持つ京劇は、中国の大切な文化遺産であるとともに、日本と中国の人々の心を通わせる架け橋でもあります。振り返れば1919年と1924年、京劇の巨匠・梅蘭芳先生が二度にわたって来日され、「貴妃醉酒」の名演で多くの観客を魅了されました。そのことが、京劇の獨特な魅力を伝えるとともに、日中友好の大切な基礎を築いたのです。

今回の茶話会では、大阪京劇団の孫 莉(ソン・リー) が講師を務め、情感たっぷりの歌声と分かりやすい解説で、京劇の神髄をじっくりと語りました。京劇の始まりから発展、そして演技の技術に至るまでのストーリーに、会場の皆さんはすっかり京劇の世界に引き込まれているようでした。

会場には、大阪府日中友好協會の関係者の方々や大阪京劇団に加え、中日京劇票友会の票友(アマチュア愛好家)である山欣さんもカメラをお持ちになり参加されていました。京劇の素敵な瞬間を写真に収めながら、この文化の出会いを記録に残されていましたよ。
この文化茶話会は、単なる芸術の発表の場ではなく、日本と中国の心の交流の場となったようです。文化の持つ力が、言葉や距離の違いを超えて、人々の気持ちを温かく結びつけてくれますね。これからもこのような文化交流が続き、お互いの理解が深まって、日中友好の輪がさらに広がっていくことを願っています。
執筆:山欣