外交部「ウクライナ問題で露呈した米国の覇権主義的行為は氷山の一角」
中国外交部(外務省)の12日の定例記者会見で、趙立堅報道官がウクライナ問題における米国の行為に関する質問に答えた。
【記者】環球網が先日、中国のネットユーザーを対象に実施した世論調査で、ウクライナ問題における米国の立場を「公正・正義」ではなく「覇権主義」と捉える回答者が9割に上ったことについて、コメントは。
【趙報道官】その世論調査に注意を払っている。これは正義を求める大多数の人々の声を反映している。ウクライナ問題が今日の状況にまで至った経緯は非常に明らかだ。米国主導のNATOの全ての行動が、ロシアとウクライナの対立を一歩一歩噴火口へと押しやったのだ。米国は事態緩和のために具体的行動を取らないばかりか、絶えず火に油を注ぎ、対立を激化させ、各国に敵か味方かの陣営選択を迫り「萎縮効果」をもたらしている。これが覇権主義でなければ何なのか?米国はまた、再三にわたり偽情報を撒き散らし、中国を中傷し、和平交渉の促進という中国の責任ある立場を歪曲しており、対立の責任を転嫁し、煽動し、漁夫の利を得て、「中露両国を同時に叩く」陰謀をめぐらせやすくすることを企てている。これが覇権主義でなければ何なのか?
ウクライナ問題で露呈した米国の覇権主義的行為は米国式覇権の氷山の一角に過ぎない。米国が冷戦思考に固執し、イデオロギーによる線引きに熱中し、閉鎖的・排他的な小集団を大々的に作り、対立と対抗を煽る真の目的は、自らの覇権と強権の継続だ。米国は民主主義、自由、人権を名目に掲げて、「カラー革命」発動などの手段を通じて、地域紛争をそそのかし、さらには対外戦争を直接発動し、地域と世界の安全保障情勢の緊張を激化させて、巨額の経済的利益と地政学的優勢を図ることに慣れている。米国はまた、一方的制裁の圧力を振りかざして他国を抑え込み、封じ込め、公然と経済的威圧を行い、世界の産業チェーンとサプライチェーンの安定性を深刻に損なっている。米国は国際法と国際ルールを都合が良ければ用い、悪ければ用いない。その標榜する「ルールに基づく秩序」とは、米国が自らの強権と覇権を維持するための「ルール」である。
平和と発展は大きな趨勢であり、人々もそれを望んでいる。時代の潮流に逆行して覇権主義を推し進める米国の行為には、すでに国際社会で反発と拒否の声が高まっている。米国は中国を含む国際世論を直視し、一日も早く冷戦・ゼロサム思考を捨て去り、他国の安全を害して自らの絶対的安全を追求する時代後れの論理を捨て去り、国際公正・正義を守る道に戻るべきである。