『船場書画展・日中友好大阪画院展』—2018年船場祭
『蘊承軒•国際文化芸術窓口』連載之五十五『船場書画展・日中友好大阪画院展』—2018年船場祭
10月5日から3日間開催された船場まつりは大盛況のうちに幕を閉じました。船場まつりの芸術的催事である『船場書画展』も、勿論大好評でした。
今年は昨年までと変わって、会場が「船場鉄道フェスティバル」のコーナーの隣りとなりました。会場の広さは少し狭くなってしまいましたが、これは鉄道好きな子供達にも水墨画に興味を持って貰えるチャンスだと思いました。この作戦は大成功!! 新しい会場は人通りが多く、毎年楽しみに来て下さる方に加えて、今回初めて展覧会に来られた方や初めて体験教室に参加された方が増え、各年齢層の方々が様々に水墨画を楽しんで下さいました。
柏原月山先生の禅意と物語性のある水墨画は大変人気があります。また月山先生の弟子であり、船場センタービル連盟会長でもある池永墨心(池永純造)先生の北海道での写生を元に描かれた作品も北海道胆振東部地震の復興と応援の想いが込められています。
毎年この展覧会を応援して下さっている、日本は勿論世界でも活躍されている水墨画家・李庚先生の焦墨山水画は、観る者が圧倒される大迫力でした。四国で活躍されている牛子華先生の山水画を観る為にわざわざこの会場に来られた方もいました。蘊承軒・大阪画院の会員の皆さんも、個性溢れる完成度の高い作品をそれぞれに出品し、会場に来られたご家族が初めてその才能に驚かれる姿も度々見受けられ、楽しい話題となりました。
また、今年の見所の一つは、神戸華僑総会の文化教室に通うお子さん達が出品した数々の作品でした。その中に5歳の严家楨君が描いた水墨画がありました。墨も運筆も自由でイキイキとして、抽象的で素晴らしいと会場を訪れた方々に絶賛されました。「この子達の将来が今から楽しみだ」と、絵を前にしたお客様方は口々に話しておられました。
船場書画展は船場まつりの期間と同じく3日間開催され、初日は金曜日でした。平日なので体験教室や参観に来られるお客様は少ないだろうと思いきや、京都から朝一番でやってきた体験教室目当ての方をはじめ、次々と会場を訪れる大人の方々が体験されていきました。また、船場書画展の発起者である柏原月山先生のご家族とご友人、月山先生のファンの方々も次々に月山先生の作品との『再会』を楽しみに来場され、池永墨心会長が心を込めてご案内されていました。2日目からは予想の通り、水墨画体験コーナーは大盛況でした。大阪画院の会員さん達が皆、体験に来られた方々に自信を持って指導できる程成長しているのが、私にはとても嬉しいことでした。終わる頃、新聞社の取材の方が来られました。カメラマンさんが私の解説を聞きながら、重い専用のレンズを交換しながら真剣に作品や会場の写真を何枚も撮っていかれました。
最終日には「船場鉄道フェスティバル」のコーナーを目当てに来た親子連れが、たまたま隣でやっている私たちの体験教室に興味を惹かれて来場されました。お子さんはこの会場で初めて筆を持ち、初めて絵を描く楽しさを知ったようです。親御さんはその反応に驚き、来年はこの船場書画展にもっと早く来てもっと子供に体験させてあげたいと話されていました。私は「毎年ありますよ」と、来年の約束までしました。
10回目の節目の年である今年も、地域の方々が今まで以上に団結して船場まつりを盛り上げておられました。その中で『船場書画展』も地域の皆様、そして船場センタービル連盟の池永純造会長をはじめ多くの方々のあたたかなご理解とご支援によって今年も大盛況のうちに幕を閉じました。この場を借りて、心から御礼申し上げます。蘊承軒・大阪画院は、船場地域の文化と芸術の発展、そして国際交流に微力ながら貢献できることを幸せに感じます。また大阪画院の会員の皆さんにも改めてここで感謝の意を申し上げます。
執筆者:李 留雁