一部憲法改正 国家ガバナンスの現代化推進の重大な措置

2018年3月12日 - 政治

全国両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)の代表・委員は7日、憲法改正案の草案について審議・議論を行った。習近平中共中央総書記(国家主席、中央軍事委員会主席)は同日、広東省代表団の審議に参加した際、憲法改正案草案に完全に賛同。「中国の現行憲法の一部改正は、中共中央が新時代における中国の特色ある社会主義の堅持・発展の全局的・戦略的観点から行った重大な決定であり、全面的な法に基づく国家統治を推進し、国家ガバナンスのシステムと能力の現代化を推進する重大な措置でもある」と強調した。

中国の現行憲法は1982年に制定された。第19回党大会は「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」を党規約に盛り込み、指導思想における全党統一を実現した。憲法改正案の草案は「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」を憲法に盛り込み、指導思想としている。中共中央機関紙・人民日報は8日「民族の創造力、結束力、戦闘力は思想上の団結・統一にかかっており、国家の現代化実現には科学的理論を行動指針とすることが必須だ。憲法改正によって速やかに党の指導思想を国家の指導思想として確立し、党の主張、国家の意志、人民の願いの高度の統一を実現することは、党と国家の事業の発展にとって極めて重要だ」と指摘した。

「中国の特色ある社会主義の最も本質的な特徴は中国共産党の指導だ」。これは習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想の重要な論断だ。今回の憲法改正は「中国共産党の指導は中国の特色ある社会主義の最も本質的な特徴である」を国の根本的制度に関する憲法の条文に盛り込んだ。中共中央党校党建設部副主任の祝霊君教授は「中国共産党の指導は中国の革命・建設・改革事業が勝利を得るうえでの根本的保証であり、科学的社会主義の根本的政治原則でもある。党の指導は強化あるのみで、弱めてはならない。憲法をどう改正しようとも、党の指導的地位は堅持する必要がある」との見方を示した。

憲法改正案は党と国家の指導制度の整備、国家ガバナンスのシステムと能力の現代化推進の観点から、党の指導の堅持、国家主席任期制度、監察制度など、一連の重大な制度設計を打ち出した。人民日報は1日付記事「党と国家の長期安定を保証する重大な制度設計」で、国家主席の任期規定の改正は、中国共産党、中華人民共和国、中国人民解放軍の指導体制の一致性を保つうえでプラスであり、「三位一体」の指導体制を憲法において貫徹、体現するものだと指摘した。この改正は党と国家の指導体制の整備に着眼した、憲法上の制度設計だ。

中国における最高国家権力機関は全国人民代表大会(全人代)であり、その常設機関が全人代常務委員会だ。全人代と全人代常務委員会は国の立法権を行使する。