北京の豪雨災害で12万7000人が避難
台風5号(トクスリ)の影響で、北京市は連日、豪雨に見舞われた。今月1日午前6時の時点で、今回の豪雨災害による死者は11人となっている。うち2人は救助活動中に殉職した救助隊員だ。北京市内13区の今回の豪雨災害の被災者は4万4673人で、12万7000人が避難した。災害による経済的損失は調査中となっている。深刻な被害が発生したのを受け、救助隊員が第一線で奮闘し続けている。
例えば、中国人民解放軍陸軍航空兵のヘリコプター4機が、門頭溝区で上空から物資を被災地に投下した。‘士官・兵士26人を乗せた4機は1日早朝5時、門頭溝区の沿河城駅などに行き、列車の運休などで足止めされている旅客に上空から物資を投下したり、病人を搬送したりした。午前10時半ごろ、身動きが取れなくなっている被災者に向けて、救援物資3500点を上空から投下した。列車K1178号、K396号、Z180号の乗客・乗務員は全員無事7月31日、寧夏回族自治区・銀川駅から北京豊台駅に向かっていた列車・K1178号が、豪雨の影響で、門頭溝区の沿河城駅付近で立ち往生してしまった。付近の線路も豪雨の影響で完全に寸断されてしまったため、救援物資を輸送する列車も通行できなくなってしまった。そのため、救援突撃隊の隊員は、インスタントラーメンやソーセージなどが入った大きなリュックを背負い、手にはミネラルウォーターを持って、歩いてK1178号に乗っている旅客に届けた。今月1日午後8時5分、K1178号の乗務員は、専用の電話で無事を伝えた。列車に乗っている旅客841人、乗務員30人は全員無事で、命に別状はないという。また、内蒙古(内モンゴル)自治区・烏海西駅から北京豊台駅に向かっていた列車・K396号も、豪雨の影響で、門頭溝区の落坡嶺で立ち往生してしまった。今月1日午後8時半、乗務員から、列車に乗っている乗客・乗務員約900人は全員無事だという連絡が入った。そして、2日午前、第一陣として乗客328人が北京豊台駅にたどり着いた。鉄道当局と重点駅区管理委員会は、同駅にたどり着いた乗客のために、水やパンなどの食べ物のほか、車イスや担架、救急車なども準備した。また、タクシー400台(料金は鉄道当局が負担)などの輸送手段を事前に手配したほか、乗り換えのための案内も提供し、予約変更が必要な場合、駅の専用係長がサポートした。ほかにも、7月30日午後0時50分、新疆維吾爾(ウイグル)自治区烏魯木斉(ウルムチ)駅から北京西駅に向かっていた列車Z180号が、北京の集中豪雨の影響で、門頭溝区の安家荘駅で立ち往生してしまった。
今月1日午後9時20分、列車の乗務員は衛星電話を使って、乗客913人と乗務員35人全員の無事を伝えた。駅の幹部や列車の乗務グループ、安家荘村の村幹部などは、乗客と乗務員が村の講堂や民家などで休むことができるよう手配した。また、鉄道当局や地方政府が物資を届けたほか、現地の村民も食べ物を調達し、必要な分はほぼ確保できているという。