70周年を迎える中国の自動車工業、3つの「世界一」を達成
7月15日、中国の自動車工業は70周年を迎え、中国第一汽車集団(中国一汽)もこの日、70歳の誕生日を迎えた。データによると、中国は14年連続で世界一の自動車生産・販売国になり、8年連続で新エネルギー自動車の生産・販売規模の世界一になり、今年第1四半期(1-3月)には自動車輸出の世界一になった。この3つの「世界一」の達成は容易なことではない。ここから中国が自動車大国から自動車強国へと安定した足取りで前進する様子がうかがえる。
この70年間に、中国の自動車産業は「海外からの導入」から「海外への進出」へという転換を果たした。紅旗、比亜迪(BYD)、奇瑞などの中国ブランドが今、海外での事業展開を加速させている。中国第一汽車集団輸出入有限公司の楊大勇董事長は、「当社は中国ブランドの『低価格』というこれまでのイメージを打破すべきだ。紅旗は最初から海外の先進地域を選んでターゲット市場とし、サウジアラビアやノルウェーなど17ヶ国で販売ルートを切り開いた」と話す。
1956年7月13日、1台目の解放ブランドの国産トラックが3年に及ぶ準備・試作の後、組み立てが終わってラインオフし、中国が自動車を製造できなかったという時代に終止符が打たれた。70歳の誕生日を迎えたこの日、中国一汽のスマート化された製造ラインでは、5577万台目の完成車がラインオフした。
自主イノベーションは中国自動車メーカーのキーワードとなっている。中国一汽研究開発総院の王徳平常務副院長は、「この3年間で、494項目の重要コア技術のブレークスルーを達成した。私たちの研究開発陣は以前の2360人から4500人あまりに増え、新車の開発サイクルは48ヶ月から24ヶ月に短縮した」と話す。同じ日に開幕した第20回中国(長春)国際自動車博覧会(長春モーターショー)には、紅旗や比亜迪などの独自ブランドが複数種類の自動車をひっさげて登場し、各車に搭載されたハイテクと装備が消費者の注目を集めた。関係分野の専門家は、「中国の自動車工業のこのたびの新エネルギートランスフォーメーションのャンスにおいては、旧工業拠点が新たな生命力を吹き返しただけでなく、複数の自動車製造の新勢力も誕生した」との見方を示す。中国自動車工業協会のまとめたデータによると、23年1-6月に、中国の新エネルギー自動車生産量は前年同期比42.4%増の378万8000台、販売量は同44.1%増の374万7000台に達した。目下、長春、十堰、上海、広州などの自動車工業の重点地域が、自動車産業クラスターのトランスフォーメーション・高度化の歩みを積極的かつ主体的に加速させている。70年の時間の中で、中国の自動車工業は「ゼロベース」から「かじ取り」へとその役割を転換させた。