広州汽車、空飛ぶ車「GOVE」と世界初のアンモニア燃料エンジンを発表
26日に開催された広州汽車科学技術デー2023(GAC TECH DAY 2023)で、広州汽車集団の空飛ぶ車「GOVE」が初公開された。このほかにも、世界初の水素・電気ハイブリッドシステムを搭載した完成車、世界初の乗用車用アンモニア燃料エンジン、N-in-1集積電気駆動システム、広州汽車マジックシーン共同創作プラットフォーム(ADiGO)など、複数の科学技術成果を披露した。中国新聞網が伝えた。GOVEは分離式の機体構造を利用して、機体と車台を自由に分離させたり合体させたりすることができ、動態的な一体化によって空中での飛行と地上での走行を実現し、航空機と自動車の2大シーンでの利用が可能だ。
地上でのシーンでは、搭載された自動運転システム「ADiGO PILOT」が車台を全自動移動型離着陸ステーションに変身させ、機体の浮上と着地、全方向への移動を可能にしている。シェアリングという属性も備わり、機体の自由な合体や随時のエネルギー補給が可能だ。空中シーンでは、軽量化複合材料の使用率は90%に達し、三重の冗長性の飛行コントロールシステムと多目的識別技術が搭載され、機体がより高く安全に飛行できるようになっている。空中から地上の車台への合体の面では、航空宇宙クラスの高精度の合体技術が応用され、車台があらかじめ機体の着地する位置を正確に測定して、ぴたりと合体できるようになっている。飛行の安全保障という点では、GOVEには宇宙航空分野のシステム工学の理念が応用され、将来の大量生産の安全性・信頼性を保障する。二重のバックアップを備えた回転翼システムの冗長性設計により、空中で機体のエンジンの1つに異常が生じても、バックアップシステムがカバーして予定の飛行任務を安定して達成できる。
世界初のアンモニア燃料エンジン。(写真提供は広州汽車集団)
特筆されるのは、同集団が独自開発した世界初の乗用車用アンモニア燃料エンジンは、液化アンモニアを燃料とし、燃料供給を精確にコントロールして電気を作るプロセスに供給することが可能で、エンジンのスムーズで安定した稼働を可能にしたことだ。また超高性能点火技術を利用してシリンダー内のアンモニア燃料が確実に点火されるようになっており、効率は120キロワットに達し、二酸化炭素(CO2)排出量が90%削減されることも注目される。(編集KS)