内山書店の4代目社長が語る「中国の漫画や小説を購入する人が増えた」
人民網日本語版 人民网日文版2022-11-05 12:48Posted on 北京
東京の内山書店の4代目社長・内山深さん(50)は、「日本の読者は中国の社会や文化に注目している。特にここ数年、中国の漫画や小説を購入する人が増えた。日本の読者が好む漫画作品の中にも、中国の作品が増えつつある」と話す。東京都神保町にある内山書店は、1917年に中国上海で開業し、100年以上の歴史を誇る。内山さんによると、「本を買いに来る客のうち、日本人が約8割、中国人が約2割となっている」という。
内山さんが特に印象深いと感じている中国のアニメは「羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来」という。2020年に、同アニメの映画版が日本で上映され、動員数が37万5000人、興行収入が5億8000万円に達し、同年の日本のアニメーション映画興行収入ランキング9位に入った。
内山さんは、「ある20代の日本人女性が『羅小黒戦記』の漫画版を購入したいと言ったのがきっかけで仕入れた。今でも、たくさんの人が買いに来る。みんな、主人公の小黒(シャオヘイ)はとてもかわいいと言っている。そこには中国文化もたくさん盛り込まれている」と話す。
内山さんは、1998年から内山書店で働くようになり、今では24年が経った。そんな内山さんは、「以前も中国語の漫画を販売していたが、その多くは中国語に翻訳された日本の漫画だった。そして、それを購入するのは中国語を勉強している人だった。しかし、近年は、中国人作者のオリジナル漫画が増えている」と話す。
2016年時点で、内山書店の売上高のうち漫画は5.6%だったものの、2021年には18%にまで上昇した。そして、2021年には、中国語の漫画の販売量も2016年に比べて2.7倍まで増加したという。
日本の若者、特に女性の間で、中国の漫画が人気となっており、なかでも古代を題材にした漫画の人気が高い。内山さんは、「新手学古風美少女漫画技法」というタイトルの本を手に取り、「漫画が好きな人は、自分で絵を描くのも好きであることが多いので、この本がよく売れている。中国の漫画を読むために、中国語や中国の歴史を勉強しているという客もいる」と説明する。
漫画大国である日本では近年、中国文化の特色が鮮明な作品が頭角を現している。中国のオリジナル漫画を中日共同製作でテレビアニメ化した「霊剣山 星屑たちの宴」や「一人之下the outcast」が2016年に日本で放送されたほか、2017年9月から、中国の漫画「兄に付ける薬はない!」が人気webマンガサイト「少年ジャンプ+」で連載されている。
アニメを見るというのは、多くの国の若者の共通の趣味で、漫画を読んでいるうちに、自然といろんな国の文化に接している。内山さんは、「日本の読者が中国の漫画などの書籍を買うのは、作品自体に興味があるから。それを窓口にして、読者が少しでも多くの中国文化を知ることを願っている」としている。