中国、海外留学の意欲衰えず 留学先はより多元化
人民網日本語版 人民网日文版今日
全球化智庫(CCG)と西南財経大学発展研究院が共同で作成し、発表した青書「中国留学発展報告(2020‐21)」(以下、「報告」)によると、新型コロナウイルス感染拡大期間中も、海外に留学する中国人はプラス成長をキープした。
米国に留学する中国人の数が減少に転じる可能性
新型コロナウイルス感染の世界的拡大が続き、中国の学生の海外留学にもマイナスの影響が及び、やや遅れが出ているものの、海外留学は依然として、重要な進学の方向性となっている。
中国の学生に最も人気の留学先は依然として米国。しかし、「報告」の統計によると、直近15年、米国に留学する中国の学生の数は増加の一途をたどっているものの、その増加ペースは2009-10年度以来、鈍化しつつあり、大きな変化は見られない。そこに現在の新型コロナウイルスの影響などの要素が重なり、2020-21年度は転換期となる可能性がある。多くの学生は今、留学環境に優れ、中国人に友好的な査証(ビザ)政策を実施しているほか、新型コロナウイルスを効果的に抑え込んでいる国や地域へと目を向けるようになっている。
国際教育研究所 (IIE)が最近発表した「2020 Open Doors Report」によると、2019-20年度、米国で高等教育を受けた外国人学生は約108万人で、2018-19年度に比べて1.8%減少し、2008年のリーマンショック以来、初めて減少に転じた。
留学の大衆化がより顕著に
現在の世界的動向を見ると、中国の学生の留学先は、一層多元化する傾向にある。統計によると、日本やシンガポール、ニュージーランドを選ぶ学生の割合が小幅に上昇している。
また、中国の学生は「自費留学」が依然としてメインで、留学の大衆化発展の動向がより顕著になっている。「報告」によると、中国の学部を卒業し、留学する学生の留学費用は主に、両親や親戚・友人がその提供者となっている。そして、海外の大学や機関の支援に頼る留学生の割合は年々減少している。
その他、新型コロナウイルスの影響で、多くの留学生の授業はオンラインに切り替わっている。
「報告」は、世界各国の新型コロナウイルス対策やウイルスとの闘いに対する決意に差があることが足かせとなり、今後しばらくは新型コロナウイルスが、中国の学生の留学意欲や積極性に深刻な影響を与える可能性があると予測している。
そして、短期的には海外留学が一定のマイナスの影響を受け、中国と海外が共同で設立した高等教育機関に通い、「今いる場所で留学」というスタイルが、新たな代替方式となりそうだ。