寒波襲来で「ホット経済」が温度上昇消費の新トレンドを反映 丸わかり!中国キーワード

211月 - による chunichi888 - 0 - News コロナ時代 今月の話題 社会 経済


防ダニ機能、スマート温度調節機能がある水洗い可能な輸入電気毛布が、今年の冬は目に見えて売り上げを伸ばしている。日本のSrueブランドの関係責任者は、「これまで発熱素材の電気毛布というのが一般的だったが、さらに高度化するために発熱する素材グラフェンを使用し、さわり心地と体に触れた時の感じを向上させ、さらに水洗いできる便利な機能も加えた。この商品は12月に天猫国際で売り出されると一時売り切れになり、この2週間は寒波襲来でさらに売り上げが大幅に伸びている」と話した。

昔からあるダウンウェアが「布団化」しており、より厚くより長いビッグシルエットが最も人気がある。過去2週間、天猫国際の輸入ダウンウェアの売上高は60%以上増加し、オーバーサイズデザインの韓国ブランドが95後(1995年から1999年生まれ)に特に人気だ。

実際、越境ECプラットフォームで新品目を育て、新商品を試すのが、多くの海外ブランドが中国市場を開拓する時の重要な手段になっている。「ホット経済」の下で高度化する消費ニーズに応えるため、暖を取るグッズの輸入ブランドは天猫国際を中国市場で最初に進出するプラットフォームだと相次いで考えるようになった。

データをみると、過去1年間に、天猫国際への海外新ブランド進出ペースは同125%上昇し、新たに発売された輸入新製品は同130%増加した。現在、世界の84ヶ国・地域の海外ブランド2万6千以上が天猫国際に進出し、5300種類以上の品目をカバーし、そのうち8割以上が中国初進出のブランドだ。

商業施設、外食、銭湯など多くの業界で「ホット経済」がヒートアップ

グッズだけでなく、商業施設、外食、銭湯など複数の業界もヒートアップしている。

業界関係者によると、「一般的に言って、女性は温泉とサウナが好きで、男性は湯船に入るのを好み、家族そろって銭湯に行く人もいる。子どもは家にじっとしていられないが、外に出るととても寒いので、週末にみんなで銭湯に行って、一風呂浴びようかということになる」という。昔ながらの銭湯では、女性より男性が明らかに多い。江蘇省揚州市の連運団地の近くに位置する銭湯のオーナーは、「(最近)うちにくるお客様は昨年10月頃に比べて30%増と目に見えて増加した。やはり隣近所の住民たちが中心だ」と話した。

各大手総合型商業施設は飲食から娯楽までわんワンストップ式のサービスを提供するため、週末ともなると人であふれかえる。揚州のある商業施設の企画部責任者は、「当店にはたくさんのお客様が来るので、セールスプロモーションをしているファストファッションブランドなどでは、試着室に入るのにも列に並ばなければならない状態だ。今は冬物衣料が一番売れる時期で、ダウンウェアが人気だ。冬物のサイズがそろわなくなったり、売り切れたりしているブランドも一部あるが、今は冬物を買うのに一年で一番いい時期だ」と話した。

暖かい服の次は、温かいもので腹を満たすことが重要だ。衣から食まで、「ホット経済」の影響は随所に見られ、火鍋を食べる人がどんどん増えている。北京市の大手スーパーの従業員は、「気温が下がってから、毎日牛肉・羊肉のスライスパックが何百個も売れている。冬は羊肉がよく売れるシーズンで、寒くなればなるほど、牛肉も羊肉もよく売れる。今年は羊肉がかなり値上がりしている。山東省、甘粛省、内蒙古(内モンゴル)自治区などでは、昨年に比べて30%以上も値上がりし、値上がり幅は5年ぶりの最高を更新した」と話した。

外で火鍋を食べようと思えば、まず最初に思い切って家から出なければならない。寒くて外には出たくないという「食いしん坊」は、今年の冬はインスタント火鍋に手を出すことになる。「ダブル11」に453万食分を売り上げたという数字から、その人気のほどがうかがえる。蘇寧のビッグデータでは、寒くなってからの昨年12月5-7日には、インスタント火鍋の売り上げが60%増加したという。

保温インナーが海外で大ヒット 海を渡る「ホット経済」

「成長とは自分で保温インナーを着るようになったこと」などと言われるように、北風が厳しく吹き付けるようになると、保温インナーをはじめとする基本的な防寒着の売り上げがみるみる増加した。驚いたことに、保温インナーは中国国内で大人気になっているだけでなく、海外市場でも一角を占めていることだ。阿里巴巴(アリババ)傘下の速売通(アリエクスプレス)のデータをみると、今年の「ブラックフライデー」には、速売通での保温インナーの取り引きは前年比130%以上増加した。このうちロシアの消費者は高い消費力で保温インナーへの愛をうかがわせ、「ダブル11」には約1万7千着を購入しただけでなく、「ブラックフライデー」の注文内容からは、保温インナーだけでなくボアや厚みのある衣類を特に好んで購入していることもわかる。

今年の寒波は特に厳しく、オランダ、ベラルーシ、リトアニア、カザフスタンの消費者も次々に「保温インナー」の輪に加わった。フランスとウクライナでは売り上げが去年の3倍になり、米国消費者の取引額の増加率は160%を超えた。

北京展覧館で行われた毛皮の展示即売会も黒山の人だかりだった。会場にいた楊さんは防寒用に毛皮の帽子を買いに来たという。どうやら、今年の寒さでダウンウェアの売り上げが伸びただけでなく、保温機能のある服飾品も広く人気になったようだ。黒竜江省黒河市の毛皮帽子メーカーの話によると、昨年12月以降、売り上げがかなり増加し、自社工場はあるものの供給が需要に追いつかない状態だという。(人民網日本語版論説員)

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「人民網日本語版」2021年1月20日

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