国慶節連休の中国人観光客の自由旅行 最大の勝者は日本
日本では中国の国慶節(建国記念日、10月1日)連休期間に消費税率が8%から10%に上がり、為替相場も変動したが、日本へ旅行に行きたいという中国人観光客の意欲が削がれることはなかった。第一財経が伝えた。
東京の銀座では、中国人観光客のツアーをあちらこちらで見かけた。
中国の国慶節連休に合わせ、目端が利く日本企業は「国慶節セール」と銘打った人目を引く広告を打ち出した。中国人消費者の間で人気の高いドラッグストアでも老舗の大手デパートでも、赤い色で縁起のいい言葉を書いたマークがあちこちに張り出され、ここは中国大都市の商業エリアかと思うほどだった。
オンライン旅行会社・携程旅遊網がこのほど発表した「2019年国慶節観光帳簿」をみると、今年の国慶節連休には日本が自由旅行市場の最大の勝者になった。
データによれば、今年の国慶節連休に携程を通じて日本への団体ツアーか自由旅行を予約した中国人観光客は前年同期比約30%増加した。携程の自由旅行部門の責任者・黎娜さんは、「非常に成熟した人気目的地が30%もの伸びを達成するのは特筆すべきこと」と指摘した。
ここ数年、中日間の観光客の往来が頻繁になるにつれ、かつてのような「爆買い」現象は徐々になりを潜めている。日本で旅行会社を経営する中国人の呂さんは「最も印象深いこと」として、「数年前の団体ツアーで海外に出かけ、ひたすら買い物をするのとは違い、最近はより多くの中国人観光客が自由旅行スタイルを選んで日本を体験するようになった」と述べた。
何度も日本を訪れる「リピーター客」は高止まりし、彼らはニッチな観光目的地に行き、日本の文化を深く体験することを臨む。呂さんは、「現在、若い人は免税店の滞在時間を適宜短縮して、素晴らしい景色を見ること、おいしい物を食べること、エンターテインメントを鑑賞することなどに旅行の重点を置こうとする。観光客の多くは旅行に先立ってネットで攻略法を立てており、日本に来たら温泉に入る、蔦屋書店で本を読む、うどん作りに挑戦するなどと計画を立てている」と説明した。
携程のデータをみると、日本は今年の国慶節連休で最も人気のある旅行先になり、1回の旅行で使う金額は平均6879元(約10万4千円)だった。
日本旅行の人気の背景には、日本ビザの申請手続きの簡略化の効果も大きい。日本は今年7月30日から、日本を訪れる団体ツアーの中国人観光客を対象にした一次ビザのオンライン申請手続きをスタートした。この電子ビザは将来、適用範囲がさらに拡大される見込みだ。また日本政府は世界で初めてオンラインビザ申請を受理した国になった。
ここ数年間、中国はずっと日本にとって最大の海外観光客供給源だった。日本の観光庁のデータでは、外国人へのビザ総発給数のうち、中国が80%を占め、13年の約97万件から18年は約545万件に増えた。
これと同時に、18年に日本を訪れた大陸部の観光客は838万人に達して、全体の26.9%を占め、総消費規模も1位で、1兆5450億円に達した。また同年には中日間の観光客数がのべ1千万人を初めて突破し、中国を訪れる日本人観光客ものべ300万人に迫った。
日本の外務省中国・モンゴル第二課の黒石亮主席事務官は取材に答える中で、「これは非常に重要な数字だ。双方の国民の積極的往来は、お互いに対してもっていた印象が変わったり、理解が一層深まったりする上で、非常に大きな役割を果たす」と述べた。
ビザ制度の緩和だけでなく、国慶節に先立って公開された周傑倫(ジェイ・チョウ)の新曲「説好不哭」のミュージックビデオも、思いがけなく日本旅行の人気を押し上げることになった。ビデオには東京タワーやティーショップ「麦吉machi machi」、銀座、東京スカイツリーなど新旧の観光スポットが登場し、周傑倫のファンが必ず訪れる聖地になった。旅行会社の中には歌と同じルートをたどるツアーを打ち出すところもあり、周傑倫の歌声を聴きながら日本を旅するのが、今年の国慶節連休の日本旅行の目新しいトレンドになった。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年10月11日