第19回党大会 習近平氏の報告

1910月 - による chunichi888 - 0 - News
引用 2017-10-18 CRI日语频道 CRI日语频道

中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)が、18日午前北京で始まりました。習近平氏が中国共産党第18期中央委員会を代表して大会に報告を行い、中国の今後の発展計画のための全体的な配置を行います。

中国共産党の8900万人以上の党員から選ばれた2200人余の代表が習近平氏の報告及び中央紀律検査委員会の前期活動報告を審査し、『中国共産党規約(修正案)』を審議するとともに、新たな中央委員会と中央紀律検査委員会のメンバーを選出します。

中国共産党は中国の政権政党であり、世界最大の政党でもあります。中国共産党全国代表大会は5年ごとに1回開催され、本大会およびその選挙によって選出される中央委員会が中国共産党の最高指導機構です。

習近平氏が中国共産党第18期中央委員会を代表して大会で報告した内容の日本語版を抜粋してお届けします。
中国共産党は経済面で大きな成果を収めた

▌過去5年において、世界経済が回復力に乏しい中、中国共産党は革新歴な発展理念を堅持し、発展モデルの転換に力を入れ、困難を乗り越えて、進んで新しいことに取り組み、多大な成果を収めた。国内総生産(GDP)が80兆元に増え、世界の経済成長への寄与率は30%を超えた。経済構造の不断の合理化が続き、デジタル経済などの新興産業が大いに発展した。農業現代化が着実に推し進められたと同時に、「一帯一路」建設においても著しい成果があった。宇宙実験室「天宮」、有人深海調査艇「蛟竜」、球面電波望遠鏡「天眼(FAST)」、暗黒物質粒子探査衛星「悟空」、量子通信衛星「墨子」、大型航空機など大きな科学技術成果が相次いでデビューを飾った。また、南中国海の島嶼建設が積極的に推し進められた。さらに、対外貿易・対外投資・外貨準備の面では世界の上位をキープした。

5年間で6000万人以上が貧困脱却
▌中国共産党は、人民を中心とする発展思想を貫いてきた。これまでの5年間で、貧困脱却の堅塁攻略戦には決定的な進展があり、全国で6000万人余りの貧困人口が着実に貧困から脱却し、一年当たりの貧困脱却者は1000万人以上に上り、貧困率は10.2%から4%以下にまで下がった。 中国では1986年に、大規模な貧困撲滅活動が行われた。今世紀初頭の十数年、貧困人口の減少ペースは年間600万人だったが、過去5年間で、毎年の貧困脱却者は1000万人以上になり、これまでになかった成果となっている。
5年間で全方位外交を展開した中国

▌過去5年間、中国の特色ある大国外交が全面的に推進されたことで、全方位の多層的で立体的な外交の配置が整った。「一帯一路」構想の共同建設を実施し、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設を主導するなど、人類の運命共同体の構築を提唱して、国際的影響力・カリスマ性・形成能力が一段と高まり、世界の平和と発展に新たな重要な貢献をしてきた。

反腐敗闘争の形勢は圧倒的なものに
▌これまでの5年、中国共産党は党管理・党統治の緩く軟弱な状況を断固として改めた。上から下までの各級に党管理・党統治の政治的責任を確実に履行させ、全党の理想・信念がさらに固まり、党性がいっそう強まった。党内法規の制度体系の充実化が途切れることなく進み、人民大衆の不満が最も強く、党の政権基盤にとって最大の脅威であった、際立った問題の解決に力を入れた。揺るぐことなく「トラ退治」、「ハエ叩き」、「キツネ狩り」を進めたことで、反腐敗闘争の形勢はすでに圧倒的なものとなり、しっかりと定着し、発展している。
新時代に入った中国
▌長期にわたる努力を経て、中国の特色ある社会主義は新時代に入った。これはわが国の発展の新たな歴史的位置づけである。これは、中華民族の偉大な飛躍で、豊かさと強さの獲得を実現し、発展途上国の現代化の道筋を広げた。急速な発展を望む一方で、独自性を保つことを求める国や民族のために、新たな選択肢を提供し、人類の問題解決に中国の知恵とアイディアで貢献した。中国の特色ある社会主義の新時代は、新たな歴史的条件の下で、中国の特色ある社会主義の偉大な勝利を持続的に収める時代である。それは、小康社会(いくらかゆとりのある社会)の構築、ひいては現代的な社会主義強国の構築の時代であり、人民全体が豊かになる時代であり、中華民族の偉大な復興の夢を実現する時代であり、そして、中国が日増しに世界の舞台の中心に近づき、人類による大きな貢献をする時代だ。
中国の主要な社会矛盾は変化した
▌新たな時代における中国の主要な社会矛盾は、人民の良い暮らしを求める需要の増大と、アンバランスで不十分な発展という矛盾へと変化した。中国が小康社会(いくらかゆとりのある社会)建設の全面的な達成を目前にしている。その中で、人々は物質面と文化面でより高い要望を持っており、民主・法治・公平・正義・安全・環境などの面でもそのニーズは日増しに増大している。同時に、アンバランスで不十分な発展という問題がいっそう際立つようになり、人民の良い暮らしを求める需要を満たす上での主要な制約的要因となっている。中国が今後も長期にわたって社会主義の初級段階にあるという基本的国情は変わっておらず、世界最大の発展途上国としての国際的地位も変わっていない。
「新時代の中国の特色ある社会主義」思想が初公開

▌中国共産党第18回全国代表大会の実施以来、「新時代の中国の特色ある社会主義」思想が形成された。これは中国共産党と人民による中華民族の偉大な復興の行動指針であり、長期的に堅持し、絶えず発展させていくべきものだ。この思想は、わが党が全く新しい視点に立って共産党の執政法則、社会主義の建設法則、人類社会の発展法則に対する認識を深め、まとめたものである。2020年までの小康社会(いくらかゆとりのある社会)の建設目標を踏まえ、今世紀の半ばに、中国を富強・民主・文明・調和・美しい社会主義の、近代的な強国に建設していく目標を提出した。「新時代の中国の特色ある社会主義」思想によって、執政党は人民を中心とする発展の思想を堅持し、人間の全面的な発展と、すべての人民が共に豊かになることを促進していくことが要求される。中国の特色ある社会主義事業の総合的配置、戦略的な配置、発展の方向、政治的な保障などについても具体的な要求が提出された。

社会主義現代化強国建設のビジョンとスケジュール

▌2020年までの小康社会(いくらかゆとりのある社会)建設の全面的な実現を踏まえて、今世紀半ばにかけて社会主義の現代化国家建設を実現させる。2035年までに、社会主義現代化を基本的に実現する。経済力・科学技術力を大幅に向上させ、文化面のソフトパワーを著しく増強させる。法治国家・法治政府・法治社会が築き上げられ、国家の統治体系と統治能力の現代化を基本的に実現する。人民の生活はより豊かになり、中所得層の割合が顕著に増え、都市・農村間および地域間の発展の格差や住民の生活水準の格差が著しく縮小し、基本公共サービスの均等化が実現し、生態環境が改善を見せ、「美しい中国」の目標が基本的に達成されるであろう。今世紀半ばまで、我が国を富強・民主・文明・調和の美しい社会主義現代化強国に築き上げる。国家統治体系・統治能力の現代化を実現し、トップレベルの総合国力と国際的影響力を有する国となる。すべての人民が共に豊かになることが基本的に実現され、幸福・安全・健康な生活を有するようになる。中華民族はより素晴らしい姿で世界にそびえ立つ。

農村振興戦略を実施へ

▌第19回党大会では、農村振興戦略の実施を初めて打ち出した。この戦略には、都市部と農村部を統合させた発展体制メカニズムと政策体系の構築と健全化、農業と農村の現代化プロセスの加速化、農村の基本的な経営制度の改善、土地請負契約の終了後さらに30年延長させること、農村の集団財産権制度改革の深化、農民の財産と権利の保障、集団経済の強化、現代農業の産業体系・生産体系・経営体系の構築、農業支援・保護制度の充実化、農民の就業・起業の奨励とサポート、収入拡大ルートの拡張、農村統治体系の健全化などが含まれている。

市場参入ネガティブリストの全面的実施へ

▌中国は市場参入ネガティブリスト制度を全面的に実施し、統一市場と公平な競争を妨げる様々な規定や慣行を整理・廃止し、民間企業の発展を支援し、各種の市場主体の活力を引き出す。行政の独占をうち破り、独占市場を防止し、サービス業の参入規制を緩和させる。

更なる開放を促進する中国

▌「一帯一路」の整備を重点に、共に協議し、共に構築し、共に享受するという原則に基づいて革新能力を強め、開放と協力を強化し、陸上と海上で内外を連動させ、東洋と西洋が相互に支援し合う開放的な枠組みを形成させる。貿易強国の確立を推し進め、貿易と投資の自由化と利便化を図るハイレベルの政策を実施し、外国企業の参入前の国民待遇とネガティブリストの管理を全面的に実施し、市場参入条件を大幅に緩和し、サービス業の対外開放を拡大し、海外投資家の合法的権益を保護する。中国国内で登録された企業は一律に平等に取り扱う。自由貿易試験区に、より大きな自主権を与え、自由貿易港の設置を模索する。国際間の生産能力協力を促進し、グローバルな貿易、投資、融資、生産、サービスのネットワークを築き上げる。

中国共産党は憲法の実施と監督を強化へ

▌中国共産党は中央全面依法治国(法に基づく国家管理の全面的な推進)指導グループを設置し、法治中国の建設における指導の一括化を強化する。憲法の実施およびその実施状況に対する監督を強化し、合憲性の審査活動を推し進め、憲法の権威を守る」と明らかにした上で、「各レベルの党組織と党員全員が率先して法律の尊重・学習・遵守・運用を徹底するほか、いかなる組織・個人も、憲法と法律を超える特権を持ってはならない。

すべての子供に公平かつ良質な教育機会を

▌習近平氏は報告の中で「教育強国を作り上げることは、中華民族の偉大な復興の基礎的プロジェクトである。教育事業は優先的に位置付けられるべきだ。都市・農村の義務教育の一体化した発展を促しつつ、農村の義務教育を高度に重視し、就学前教育や特別支援教育、オンライン教育に着実に取り組み、高等学校教育を普及させていく。一流大学・一流学科づくりを加速させ、学資援助制度を健全化する。都市と農村において、新たに労働者となる者の圧倒的多数が高等学校教育を受けられ、可能な限り大学教育を受けられるように努めて行く」と述べました。

農村の貧困人口、2020年に全員貧困脱却

▌2020年までに、現行の基準での農村貧困人口の貧困脱却を実現させ、貧困県の貧困脱却を徹底し、地域的な貧困を解決して、的確な、真の貧困脱却を確保する。そのために、中国共産党は全党・全国・全社会の力を動員して、的確な貧困扶助と貧困脱却を貫き、中央が統括し、省クラス政府が全般的な責任を負い、市・県クラス政府が実行するという活動の仕組みを堅持し、党・政府の最高責任者が全ての責任を担う責任制を強化するとともに、貧困対策と意識の発揚、知識面の支援との結合を重視する。

全ライフサイクルをカバーするヘルスケアサービスを

▌中国の特色ある基本医療衛生制度・医療保障制度および高品質かつ高効率な医療衛生サービス体系を全面的に整備し、末端の医療衛生サービス体系と、全科の医師陣の整備を強化する。薬剤費に依存する病院運営体制を全面的に廃止し、医薬品供給保障制度を健全化する。重大疾患の予防・抑制に取り組む。食品安全戦略を実施し、出産に関する政策と経済・社会関連の諸政策とのリンクを促し、高齢化に積極的に対応し、養老・孝行・敬老のためになる政策体系と社会環境を構築し、高齢者関連事業および産業の発展を加速させる。

生態文明体制改革を加速、「美しい中国」を建設する

▌中国はグリーン生産・消費に関する法制度や方針決定のための政策確立を急ぎ、グリーンで低炭素な循環型の発展の経済体系を確立、充実させ、グリーン金融を発展させる。大気、水質、土壌などの汚染対策を強化し、汚染物質排出基準を引き上げ、グローバルな環境対策に鋭意参加し、際立った環境問題の解決に注力する。重要な生態系の保全・復元に向けた重要プロジェクトを実施し、市場化・多元化した生態補償の仕組みを確立する。国有自然資源資産管理・自然生態系監督管理機関を設立し、国土空間開発保護制度を樹立し、国立公園を主体とする自然保護地域体系をつくる。さらに、中国の生態環境は2035年までにほぼ好転し、「美しい中国」の目標がほぼ実現される見通しだ。

今世紀中期に世界トップレベルの軍隊を建設

▌中国の国防と軍隊は世界の新たな軍事革命の発展の趨勢と、国家安全保障上の需要に合致させ、2020年までに機械化の基本的な達成と、情報化における重要な進展、戦略能力の大幅な向上といった目標の実現を確保しなければならない。軍事理論、組織形態、軍事要員および武器装備の現代化を全面的に推進し、2035年までに国防と軍隊の現代化を基本的に実現させ、21世紀中ごろをめどに人民の軍隊を世界トップレベルの軍隊にまで全面的に築き上げるよう努めていく。

香港・マカオ特別行政区政府と行政長官の職責履行を支持

▌「一国二制度」は、香港とマカオが長期的な繁栄・安定を保つ上で最良の制度である。特別行政区政府と行政長官が法律に基づいて積極的に活動を行い、人民の生活を保障・改善し、順を追って民主化を進め、社会の安定を維持し、国家の主権、安全、発展の利益を守る憲法的責任を履行することを支持する。香港とマカオの住民の大陸部での就業・投資などに便宜を図る政策を実施する。さらに、愛国者を主体とする「香港市民による香港管理」、「マカオ市民によるマカオ管理」を堅持し、国を愛し、香港・マカオを愛する力を強化し、香港・マカオの同胞の国家意識と愛国精神を強化すべきだ。

台湾政党は「九二共識」を認めてこそ大陸と対話できる

▌「一つの中国」の原則は両岸関係の政治的基礎であり、同原則を示す「九二共識」(92年コンセンサス)は、両岸関係の平和的発展を確保する鍵である。「九二共識」という歴史的事実を認めた上で、両岸双方は対話を行うことができる。台湾のあらゆる政党や団体と大陸の往来に障害は存在しない。中国大陸には「台湾独立」を図る勢力のいかなる形の分裂活動をも打ち破る、断固たる意志と溢れる自信、十分な能力がある。

中国は永遠に覇権を唱えない

▌新時代に入った中国は独立自主の平和外交政策を揺るぎなく貫き、各国の人々が自主的に発展の道を選択する権利を尊重し、国際的な公平性と正義性を擁護し、自らの意思を他国に押し付けることに反対し、他国の内政への干渉に反対し、強い者が弱い者を虐げることにも反対する。また、中国は決して他国の利益を犠牲にして自国の発展を求めることはしないが、正当な利益を放棄することも決してない。いかなる者も、中国に対して利益を損ねる苦い結果を飲み込ませようなどという企みを抱くべきではない。中国は防衛的な国防政策を堅持する。中国の発展はいかなる国にとっても脅威にならない。中国はどれほど発展したとしても、永遠に覇権を唱えず、軍事的拡張をしない。

反腐敗闘争の圧倒的勝利をかち取る

▌人民は腐敗を最も憎んでいる。腐敗は中国共産党が直面している最大の脅威である。中国共産党は「聖域なし、全面カバー、ゼロ容認」を貫き、贈賄・収賄をともに取り調べることを堅持し、党内に利益集団が形成されることを断固として防がなければならない。市・県クラスの党委員会に巡察制度を導入し、大衆の身近で発生した腐敗問題の解決を強化する。腐敗分子がどこに逃げようとも、必ず逮捕し、法の裁きにかけなければならない。反腐敗関連の立法活動を推し進め、規律検査・監察システムが共有する摘発・告発プラットフォームを整備する。

党と国家の監督システム健全化を推進

▌党と国家の監督システムを健全化する。国家監察法を策定し、党の規律検査機関と関連事務を統合する国・省・市・県監察委員会を設置して、同じクラスの党の規律検査機関と共に活動を行い、公権力を行使する全ての公務員を監察する。法に基づいて監察委員会に職責権限と調査手段を与え、「両規」措置(党規律などに違反した容疑者に、規定された時間と場所で説明させること)の代わりに留置の措置を採用する。組織の監督を強化し、民主監督を改善し、同クラスの相互監督の役割を果たし、日常的な管理監督を強化して、政治的巡視を掘り下げ推進していく。

多数の監督管理機構を新設する

▌中国は、法治、生態環境、監察、軍事などの分野で複数の監督管理機構を設立する。まず、全面的に法律に基づき国を治めるための中央指導グループを設け、中国の法治体制の整備における統一された指導を強化する。また、国有資源・資産の管理と自然・生態の管理に対する監督機構を設け、資源・資産の所有者としての職責を統一して履行し、都市部と農村部の排ガスや廃棄物による汚染に対する監督管理、そして行政と法執行の職責の履行を統一して行う。さらに、国・省・市・県の4クラスの監察委員会を設立して、公的権力を行使するすべての公職者をカバーする監察を実現する。市・県の党委員会では巡回監察制度を確立し、大衆の身近に存在する汚職の取り締まりを強化する。また、退役軍人の管理保障機構を設け、軍人と家族の合法的権益を守る。

党には完璧な政治と優れた能力が必要

▌13億人以上の人口を擁する社会主義の大国を指導するため、中国共産党は学習能力や、政治指導能力、改革とイノベーション能力、科学的発展力、法に基づく政権運営能力、大衆指導能力、実行能力、リスク管理能力などを含む政権運営能力を高めていかなければならない。また、政権政党として、戦略的思考、革新的思考、弁証法的思考、法治思考、ボトムライン思考が必要だ。