世界でマスク不足が深刻 中国の生産能力で解決できるか

73月 - による chunichi888 - 0 - News

新型コロナウイルスによる肺炎が世界中に拡大する中、マスク不足への懸念が徐々に広がりをみせ、世界保健機関(WHO)はこのほどマスクの生産能力を拡大するよう呼びかけを行った。中国新聞社が伝えた。

WHOのまとめたデータによれば、中央ヨーロッパ時間の3日午前10時(北京時間の同日午後5時)、中国以外の72ヶ国で感染が確認された患者は1万566人、死者は計166人となった。前日に比べて、患者数は1792人増加し、感染国は8ヶ国増えた。

患者数が増加するにつれ、マスク不足の問題がますます注目を集めるようになった。さきにWHOのテドロス事務局長は、「世界市場では深刻な混乱が起きている。マスクなど個人向けの防護用品のニーズは普段の水準の100倍に達し、価格も普段の水準の20倍になった。これに個人用防護用品が広い範囲で不適切に使用されるようになったことも加わり、マスク不足の状況が一層深刻化した」と述べた。

テドロス氏は3日に行われた感染状況をめぐるメディアブリーフィングで、「新型肺炎が拡大する中、医療用マスクの不足現象が起きており、WHOは事業者と各国政府に呼びかけて、医療用マスクを40%増産するよう求めた。また医療用マスクのニーズが急激に増加して、今後は世界で毎月8900万枚が必要になると予想する」と述べた。

阿里巴巴(アリババ)が2日に発表した統計によると、過去30日間近くで、世界ではマスク、消毒用ハンドソープ、サーモガンなど感染症対策の製品に対する購買意欲が大幅に上昇し、中でも医療用マスクのニーズは13769%増加した。

マスク不足を解消するには、生産能力を拡大するしかない。この視点から考えると、世界的なマスク不足の解消は、中国製造(メイド・イン・チャイナ)と切り離せない。中国はマスク生産大国で、世界の生産量の約50%を占める。感染症が発生する前、中国の一日あたり生産量は最大で2千万枚以上だったが、感染の拡大にともなって、ニーズが爆発的に増加し、短期的な需給のアンバランスが目立つようになった。

このため、中国では政府や企業など各界が心を一つに力を合わせ、マスクメーカーの労働力、資金、物流、主原料・副原料の供給といったニーズを優先的に保障し、マスクメーカーが全力で生産に取り組めるようできる限り後押ししたため、マスクの供給状況は目に見えて改善した。

国家発展改革委員会が2日に発表したところでは、調整を経て、2月29日には一般のマスク、医療用マスク、医療用N95マスクを含む全国の一日あたりマスク生産能力は1億1千万枚に達して2月1日の5.2倍になり、一日あたりの生産量も1億1600万枚に達して同12倍になり、マスクの需給問題を一層緩和した。このうちN95マスクの生産能力は196万枚、生産量は166万枚で、第一線の医療従事者の防護ニーズの問題を効果的に解決した。

中国のマスク生産量は目に見えて増加したが、多くのアナリストが、「現在、マスクは大幅に不足している」と指摘する。華創証券の張瑜チーフマクロアナリストは、「中国の第二次産業と第三次産業の従事者は合わせて5億3千万人に達し、業務が全面的に再開されれば、一日1人あたり1枚として計算すると、毎日5億3千万枚のマスクが必要になり、『第二次産業従事者と医療従事者と交通輸送産業の業務再開』に限っても毎日2億3800万枚が必要になる」と指摘した。

民生証券の劉振宇アナリストはさらに、「現在の世界の感染状況は厳しく、世界経済に打撃を与えている。WHOはこのほど新型肺炎の危険性評価で世界全体を『高い』から『非常に高い』に引き上げた。海外で感染が広がると、海外のマスクニーズも急速に上昇した。中国国内のニーズを基本的にまかなえるようになれば、中国産マスクは海外へ輸出され、世界の戦『疫』を支援するようになる。中国で供給不足が続き、海外で需要が爆発的に増加する中、中国のマスク生産能力はこれからも拡大が続くと予想される」と指摘した。

川財証券の白竣天アナリストも同様の意見で、「感染状況の中、マスクは今や医療従事者にとっても一般の人が仕事や外出をするときにも欠かせない必需品になった。中国では感染が続き、海外では韓国、イタリア、日本などで状況が深刻になり、特に海外で新たに確認される患者数が何日も続けて中国を上回る中、短期的には世界は深刻なマスク不足に陥るだろう。中国のマスク生産能力をさらに開拓してほしいが、そのカギは不織布などの材料不足の問題を解決できるかどうかがカギになる」と述べた。(編集KS)

「人民網日本語版」2020年3月6日