外国人高齢者と介護の橋渡しプロジェクト~誰もが安心して日本で老後を過ごすために~

外国人高齢者と介護の橋渡しプロジェクト~誰もが安心して日本で老後を過ごすために~
「外国人高齢者と介護の橋渡しプロジェクトチーム」発足会に寄せて

~誰もが安心して日本で老後を過ごすために~

2月23日(土)に開催した新生「外国人高齢者と介護の橋渡しプロジェクトチーム」発足会に、在住外国人コミュニティのNPO法人や団体関係者をはじめ、ケアマネジャー、マイノリティ・ヘルス研究者、大学院看護研究科院生、介護職員、メディア関係者などが参加してくださいました。ご参加くださった方々に心より厚くお礼申し上げます。

2018年6月末現在、日本に暮らす外国人高齢者は20万人で、在住外国人総数の6.6%を占めています。近年では外国人高齢者は年々増加し、永住化・定住化の傾向が強まることを考慮すると、今後その割合がさらに増えていくことが予想されます。

こうした現状のなか、外国人高齢者が日本での老後暮らしにおいて、年金や医療、介護保険サービスを使用したい時に、果たして日本人と同じように利用することが出来るのでしょうか。

また、安心して老後の生活を送るために、身近に母語で相談ができる制度や人、母国の文化や生活、歴史的背景を理解してくれる環境や人、母語が通じる介護施設やスタッフなどは、外国人高齢者の周辺に果たしてどれだけあるまたはいるのでしょうか。

人は、オギャーと産声を上げてこの世に生まれてからは、国籍・民族問わず、誰もが乳幼児期・少年期・青年期・中年期というライフステージを経て、高齢期を迎え、そして、人生の終着駅へ向かっていきます。

このライフサイクルはまた国籍・民族問わず、みんなに平等に訪れて、そして、人は個々の価値観のもとにそれを受け入れていくのでしょう。

人は誰もが平等に高齢者になるわけですが、問題はどこでその高齢期を迎えるのかによって、老後生活の質が大きく変わるのであろう。

仮に日本人が自分の生まれ故郷・日本で高齢期を迎えた場合は、身体的または知能的の衰えを支えてくれる家族がそばにいて、長年働いてきたことによって経済的に多少なりの貯蓄があり、年金や介護保険という制度もあって、これらの制度を利用することによって一定レベルの生活の質を維持しながら、安心して老後を過ごすことができる(もちろん、ごく少数ではあるがそうでない人もいます)であろう。

何よりも日本人には日本語という言葉の壁がなく、自由にコミュニケーションを取ることできるのは当たり前のことです。

しかし、在住外国人の場合はどうでしょうか。さまざまな事情によって、生まれ故郷を離れてこの日本に生活基盤を置く異文化背景を持つ人々は、この異国の地・日本で高齢期を迎えた時、経済的基盤が衰弱で、社会的地位もなく、年金などの各種保険制度からもこぼれ落ちて、さらに、高齢とともに辛うじに維持してきた第2言語である日本語も忘れ、母語しか話せなくなってしまう外国人高齢者には、どんな老後の暮らしが待っているのでしょうか。

その老後の生活は容易に想像することができましょう。「母語がえり」や「母国文化への回帰」など、外国人高齢者がゆえにぶつかる壁が多く表れて、老後生活はよりいっそうの困難さが予想されます。

こうした外国人高齢者とどのようにコミュニケーションを図りながら、年金や医療、介護など、老後の暮らしに必要な情報を過不足なく提供し、適切なサポートをしていくのが大きな課題です。

特に制度の面においては、多くの制度は日本人を対象にしているため、外国人高齢者がその制度の枠からこぼれ落ちたり、対応が外国人高齢者に適していなかったりといった現実問題を根本から改善しなければ、外国人高齢者は日本人と同様に適切なサービスを受けることは到底不可能であろう。

外国人高齢者は今後さらに増えて、そして、その増加は顕著な社会現象になって、大きな社会問題となることでしょう。日本社会はいま日本人の高齢者の増加問題の対応に精一杯で、とても在住外国人高齢者のことまで考える余裕がないというのは本音であろう。しかし、外国人高齢者問題は今後の日本社会にとって避けて通れない問題でると思います。

その他、大きな社会問題になる前に早めに対策を講じるべきで、そのための法制度の構築や研究も必要でしょう。また、外国人高齢者への支援の仕組みや地域社会全体および地域住民の理解の醸成など、自治体における取り組みも重要であり、それに対する期待も今後高まっていくであろう。

「いつやるの、今でしょう」、
「誰がやるの、みんなでしょう」、
「誰のためにやるの、誰もが安心して日本で老後を過ごすために」

「外国人高齢者と介護の橋渡しプロジェクトチーム」が外国人高齢者の介護問題を取り組むようになったきっかけは中国帰国者の介護でした。当初の取り組みから3年の月日が過ぎました。

この3年間、プロジェクトチームの取り組みによって、介護における言葉の壁や文化の壁など、外国人高齢者における問題は少しずつ知られるようになってきたのではないかと思います。

一方、中国帰国者以外の外国人高齢者における介護の実態は一層深刻化になってきています。そのため、より多くの外国人がこの取り組みを必要としていることから、このたびはプロジェクトチームの再編成を図って、国籍や言語も増やして、新生「外国人高齢者と介護の橋渡しプロジェクトチーム」として再編成して、介護のみならず、外国人高齢者福祉全般において今後取り組んでいく所存です。

「誰ひとり取り残さないために」

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